2021-06-27

Johnny Hammond / Gambler's Life


1974年、CTIのサブレーベルであるSalvationからの一枚。
プロデュースはスカイ・ハイ・プロダクション、つまりはマイゼル兄弟の作品だ。

以上で済ませても何も問題はなさそうでもある。しないけど。
実は個人的にはスカイ・ハイのサウンドはあまり好みに合わないことが多い。音の厚みの質ですね。彼らの手がけた作品が必ずしも全てそうだというわけではないのだけれど、ごてごて、こってりした感触のものは聴いていてくたびれてしまう。
まあ、個性が強いですよね。かといって、金太郎飴的なつくりではなくて、主役であるプレイヤーによって、それぞれ違うものにはなっていると思うのですが。

さて、本作の主役はジョニー・ハモンド。本職はオルガンといっていいでしょうが、ここではエレピやシンセサイザーを弾きまくっております。それはいいとして、マイゼル兄弟もシンセやクラヴィネットを入れているし、さらに別にアコーステイック・ピアノのひとがいて、結果、いつもの爽やかでしつこいスカイ・ハイです。

ファンクしてはなかなか格好いい、というかハーヴィ・メイスンのドラムですね。全体の演奏もあまり整理がキチンとしてなく、ラフなところが残されていて、その辺りが勢いを感じさせるようで盛り上がります。
また、収録曲はマイゼル兄弟の書いたものが殆どなのですが、ジョニー・ハモンドの自作が二曲あって、それらが比較的ジャズ寄りというか、アルバムに幅を持たせるものになっています。"This Year's Dream" はとてもメロウなテーマに続いてエレピが転がりまくる佳曲。もう一方の "Virgo Lady" は変拍子入りながら、仕上がりは実にスムーズ。ソロイストの配置の仕方も割合にオーソドックスで、安心して聴いていられます。

まあ、うるせえアルバムですね。ミックスしなおしてくれ。