2014-10-28

XTC / Drums and Wires


「Drums and Wires」(1979年)のリイシュー、CD+ブルーレイ版を買いました。しかし、うちにはサラウンド環境は無いのだよ、うん。そうなるとハイレゾによる音質向上が目当て、ということになるんだけど。
CDにはアルバムとエクストラ・トラックを2014年ミックスで収録。ただし、オリジナル・マルチが無いという "Life Begins At The Hop" は元のままです。去年リイシューされた「Nonsuch」もそうだったのだけれど、これらのトラックは全てブルーレイにも入っているので、リッピングして聴く習慣の無い僕のような人間にとってCDのほうは要らないのだが。

それはともかく、実際に聴いて思ったのは、ごく当たり前のことで。音がいいな、やっぱりマルチ・テープから作り直せば効果は絶大なんだな、と。ブルーレイは勿論、CDのほうでもそんな感じがしましたよ。
特に低音がしっかり響いている感じであって。ベース、うまいね。骨太なドラムはときとして脅迫的ですらあり、既に「Black Sea」みたいだ。

あとはレア・トラックとしてデモやリハーサルが大量に入っています。
〈SAUCY PLATE SESSION〉 とある5曲、これはコリン・モールディング単独のデモでしょうか。公式には未発表の曲ばかり。
〈SWINDON TOWN HALL〉の二度に渡るセッションはデイヴ・グレゴリーのライナーノーツによればレコード会社向けのデモ。
〈TOOTS GARAGE〉はアルバムリリースより後に行われたセッション。これは割合に音がちゃんとしてます。コリンの "I Overheard" はこれも未発表か。
〈TUDOR BARN ALBUM REHEARSAL〉は地元スウィンドンでのアルバムリハーサルで、デイヴ・グレゴリーによればローディのスティーヴ・ウォーレンに頼んで録ってもらっていたカセットテープが見つかったそう。同じ曲を何度か繰り返しているので、20トラックもあります。"Scissor Man" の前にはビートルズの "From Me To You" のフレーズが聞こえます。

映像としてはプロモ・クリップが二本のみ。大したものではないですが、馬鹿馬鹿しかったりシアトリカルであったりで、今見ると意外に面白い。アンディとコリンを見ていると、なんだかチープ・トリックのリック・ニールセンとトム・ピーターソンを連想してしまった。


実は、「Drums and Wires」というアルバムを聴いたのはかなり久しぶりだったのだけれど、この頃はまだまだとんがっていますな。攻撃的でユーモラス。楽曲はキャッチーなものが増えてきているけれど、ウェットなところが感じられない。即物的な印象のアルバムタイトルは鍵盤奏者が脱退したことを受けているのだろうけれど、まさに太鼓と鉄線でできた音だ。
改めて聴いて "Roads Girdle The Globe" のギターリフはキャプテン・ビーフハートっぽいなあ、なんて思ってたら、なんだ、アンディのコメントにもそんな風なことが書いてるな。

2014-10-27

A・クリスティ/F・W・クロフツ 他「ザ・スクープ」


アガサ・クリスティのミステリ作品を月一で読んできているんだけれど、これはその流れで手を出してみました。本書にはディテクティション・クラブに所属する作家たちの手によるリレー小説「ザ・スクープ」(1931年)と「屏風のかげに」(1930年)が収められています。発表されたのは『漂う提督』より少し前ということになりますが、二作品とも元々はラジオドラマとして書かれたもので、実際の放送の際には作家たち本人がそれぞれ自分の書いた部分を朗読したそうです。

「ザ・スクープ」は140ページほどの中編で、殺人事件の謎を追っていた新聞記者が特種になるような証拠を入手したのだが、自らも事件に巻き込まれ・・・・・・といったお話。
参加しているのはクリスティの他、ドロシー・L・セイヤーズ、E・C・ベントリイ、アントニー・バークリイ、フリーマン・ウィリス・クロフツ、クレメンス・デーンという面々で男女半々。全12章からなり、それぞれが(連続しない)2章ずつを担当しています。
さて、リレー作品といってもこの「ザ・スクープ」では、事前に六人の作家たちが合議のかたちでプロットを考えたらしい。最初と最後の章を手がけているのがセイヤーズなので、彼女が仕切ったのでしょうか。特に最初のつかみの迫力は充分。
作品全体としてもまとまりが感じられる上、ラジオドラマらしく各章の終わりでは必ず意外な進展があって興味を引き付けられる。勿論、作家たちの書き振りにも個性が見られて面白い。クリスティは噂話が好きな婦人を描き、クロフツは警察官を中心に物語る、といった具合です。
程よく錯綜したプロット、次々と入れ替わる容疑者、サスペンスの要素もあって中盤くらいまでは面白い。しかし、残念なことに謎解きの方はややお粗末。トリックはしょぼいし、犯人の計画も穴だらけで、豪華執筆陣の顔ぶれからするとちょっと期待外れか。
読み終わってみれば、通俗スリラーという感じでした。

もうひとつの「屏風のかげに」は家庭内で起こった殺人を扱ったもの。80ページ足らずで、ヒュー・ウォルポール、クリスティ、セイヤーズ、バークリイ、ベントリイ、ロナルド・ノックスの順で書かれています。こちらでは最初の三人が相談無しに話をつないでいって、残りの三人が協議の上で完成させた、ということです。
各作家の遊びの部分が少ないのだけれど、その分、非常に緊張感あるフーダニットという仕上がり。小さな瑕疵はありますが、解決編もこのメンバーらしい捻りや奥行きがあって、こちらは面白かった。

まあ、そんな必死で探すような本ではないと思いますが、近々復刊されるという『漂う提督』が気に入って、なおかつ安値で転がっていたなら読んでみればいいのでは。

2014-10-26

Pugwash / A Rose In A Garden Of Weeds


パグウォッシュのコンピレーションが出ました。17曲入りです。副題には「A Preamble Through The History of Pugwash」とあって、パグウォッシュの歴史~その序章、てなところでしょうか。米Omnivoreからのリリースで、彼らの作品が北米市場で発売されるのはこれが初、ということらしい。
リマスターはされているものの、特に新曲や未発表のものはありません。以前にも「Giddy」というコンピレーションがありましたが、それとは7曲がダブり。もっとも彼らの過去のアルバムが全てそうであるように、「Giddy」も今では入手しにくくなっています。

選曲は十年以上のスパンがある彼らのキャリアから万遍なくされているのですが、殆ど違和感無く曲が並んでいて、作風の安定ぶりがわかります。ときにサイケデリックな味付けがあったりアコースティックな手触りであったりしつつも、大まかにはビートルズ、ビーチ・ボーイズ、ELO、XTCらからの多大な影響が現代的なギターポップに溶け込んだ音楽、その基本線には変化がありません。さらに、作品を重ねてきても手練れた感がなく、瑞々しさが感じられるのも良いすね。


このバンドの中心人物であるトーマス・ウォルシュというひと、シンガーとしては大して声域が無いんだけど、この狭いレンジでうまいことメロディを作るよなあ。
いや、全くもって良い曲揃いでありますね。

2014-10-25

Stackridge / The Man In The Bowler Hat


スタックリッジの三枚目は1974年リリース、プロデュースド・バイ・ジョージ・マーティン。ということで制作はAIRスタジオで行われ、エンジニアにはジェフ・エメリックの名も。
ジョージ・マーティンはストリングス・アレンジは勿論、ピアノでも参加。リハーサルをマーティン邸で行うこともあったということで、かなりな貢献度。

間違いなくスタックリッジのアルバムの中では最もポップな作品でしょう。まず、これ以前の作品と比較して音像がとてもシャープなものに変化しています。特に印象的なのはくっきりとしたベース・ラインですね。このよく歌うベースがアルバム中、一番ビートルズ的だな。
音楽的にもかなりわかりやすくなって。奇妙なユーモアも含めたスタックリッジというバンドの持つさまざまな要素を整理して、タイトにまとめ上げた、という感じ。メロディの良さがより際立つようになった。その分、以前にあったバンドらしい迫力やトラッド風味は余り感じられない。田園プログレ風味はわずかにフルートのソロに聴かれますが。

オープナーの超キャッチーな "Fundamentally Yours"、このサビ部分でのフィドルなどはそれまでになかったような響きで、まさにモダン・ポップという感じ。
また、"Pinafore Days" や "Galloping Gaucho" のようなコミカルな曲でも何だか堂々としていて、風格さえ漂っています。流石はジョージ・マーティン、というかプロの仕事ですね。
一方で、甘々のスロウもあって、これらは後のコーギスを予感させるようでもあります。

個人的な彼らのベストは前作にあたる「Friendliness」だけれど、この「The Man In The Bowler Hat」も英国ポップど真ん中といった仕上がりで、とても好きなアルバムです。
ところで、ジャケットに描かれている人物は男性で、彼らのマネージャーだというのは本当なのかな?

2014-10-19

マージェリー・アリンガム「窓辺の老人」


副題には〈キャンピオン氏の事件簿Ⅰ〉とあります。日本オリジナル短編集で、1937~39年に発表された七編が収録。
活字がでかいうえに300ページもないので、さくっと読んでしまえる。このボリュームはどうなの、アリンガムの短編で大したものはそんなに多くないということか、と勘繰ってしまうのだが。戸川安宣氏の解説には「このたび、キャンピオンの活躍する中短編の精華をあらまし年代順に並べて提供しようということになった」と書かれているので、今回収録されたのより後年に書かれた短編から編んだものが〈事件簿Ⅱ〉として出されるのでありましょう、きっと。
それはともかく、簡単な感想をば。

「ボーダーライン事件」 不可能状況と証人の心理の謎を扱っていますが、絵解きは盲点をついたあっさりとしたもの。そして、事件の解決によって見えなかった物語が立ち上ってくる、この結構が実に味わい深く、巧い。ぶっきら棒なタイトルの妙もまた、後から効いてくる。
「窓辺の老人」 オーソドックスな手がかり、謎解きの流れに沿って行動しているのだけれど、説明は全て結末まで後回し、というシャーロック・ホームズ以来の作劇法ですね。奇妙なキャラクターに非常に魅力的な謎、それに意外な展開で最後までぐいぐいと引っ張っていきます。
「懐かしの我が家」 読み終えてみれば、一人合点な探偵自身が事件を錯綜させている、といった感じではありますが。小さなアイディアを、見せ方でもって読ませるものに仕立てているのは確か。控えめなユーモアの加減も好ましい。
「怪盗〈疑問符〉」 設定が子供っぽくもチャーミング。嘘から出たまことというか、棚からぼた餅というか、偶然につながっていくようなプロットが楽しい。謎解きはまあ、おまけみたいなものだ。
「未亡人」 いかにも手の込んだ犯罪計画が楽しい。これもホームズ譚のような味わい。
「行動の意味」 チェスタトンや泡坂妻夫を思わせる奇妙な謎とその顛末が語られる。プロットは割りにストレートだが、シリアスな雰囲気とユーモアの対比がこの作品集中では際立っていて、クライムストーリー風の味わいも。
「犬の日」 キャンピオンが休暇中に体験した不思議な出来事を綴った小品。オチが読めてしまうのは仕方がないか。

全体としては、推理の面白さにはさほどこだわらず、飛躍のある展開や意外ななりゆきで読ませるといった感じですかね。
また、探偵役のアルバート・キャンピオンは奇矯なところのない控えめな英国紳士で、そこに物足りなさを感じるひともいるかもしれませんが、それが作品形式の柔軟さにつながっているようでもあります。要は使い勝手がいい、と。

がっちり構成されたミステリや強力な個性を期待するひとには向いていないかな。ゆとりを感じさせる語り口に乗せられた、古き良き時代の探偵小説です。

2014-10-13

アガサ・クリスティー「予告殺人」


「殺人お知らせ申しあげます。十月二十九日金曜日、午後六時三十分より、リトル・パドックスにて、お知り合いの方のお越しをお待ちします。右ご通知まで」
週刊紙《ギャゼット》の個人広告欄に載せられたそれは、一風変わった招待状のように思われた。近隣に住む人々たちは興味を引かれて集まって来たのだが。

1950年発表、ジェーン・マープルもの長編。これは有名作品ですね。僕も大昔に一度読んでいるはず。
魅力的な導入から意外な事件の発生までが非常にテンポがいい。マープルも割りに早い段階で登場。しょっぱなからちょっとした洞察で名探偵ぶりを見せてくれます。ただし、そこからははいつもとあまり変わらない。誰もに犯罪の機会があったが、手がかりらしいものはない、というお話。

実は犯人の見当は付きやすい。というか、クリスティはこのパターンを何度も使っているのでね、長編だけでも40冊も読んでくればさすがに。とても細かいミスリードがあるので、注意深く読めば逆に引っかかるかもしれませんが。
ただし、隠されていた物語は予想外なもの。考えてみればこれもお馴染みのパターンなんですけど、散々前振りをしたあげくにまだ使うか、という質の驚きがあります。
一方で、マープルの推理はいつもの人間観察よりも、むしろ状況証拠から組み立てていくもので読み応えがあります。伏線もお見事で、セントラル・ヒーティングの扱いなんかもう、唸っちゃう。

読み終えてみれば、とてもオーソドックスなスタイルで組み立てられたフーダニットでありました。古典的な謎解きが好きなひとには合うんじゃないかしら。

2014-10-12

The Originals / Baby, I'm For Real


オリジナルズのファースト・アルバム、1969年のリリース。
タイトルにもなっている "Baby, I'm For Real" はマーヴィン・ゲイが手がけたヒットシングル。ゴージャスでありながら軽やかで主役を邪魔しない管弦には「What's Going On」前夜という感じもある。ドゥーワップをベースにしたようなオーソドックスなコーラスと、入れ替わっていくリードの対比も素晴らしい。ロマンティックではあるけれど、実に締まった仕上がりだ。
勿論スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズという偉大な先達はいますが、モータウン産スウィート・ソウル、その本格的なものはここから始まったのではないか、と(半可通ながら)思うわけですよ。

このアルバムの時点では、"Baby, I'm~" を除くと残りの曲は全て、ひとりのシンガーが一曲通してリードを唄うかたちを取っていて、曲によって四者四様のバラエティを楽しめるようになっています。いかにもデトロイトらしいノーザンダンサーもありますが、出来は悪くないもののやや個性に欠けるかと。耳を引くのはゆったり目のミディアムからスロウですね。
特にいいのはやはりC.P.スペンサーがリードのもの。元々のアルバムタイトル曲であった "Green Grow The Lilacs" は美しいメロディに広がりのあるコーラスアレンジやトランペットの間奏があいまってサンシャインポップ風味が濃厚であるし、"You, Mysterious You" の定型を脱した展開からは新しい時代のソウルを予感させられる。
また、ホランド=ドジャー=ホランド作の "We've Got A Way Out Of Love" はコール&レスポンスのスタイルこそ'60年代モータウン的なものですが、裏声トップからベース・ボイスまではっきり聴かせるつくりになっていて、清新な印象。コーラスグループとしての確かさも伝わってきます。

ところでこのアルバム、昨年になって日本のユニヴァーサルからリイシューされていまして。旧盤CDの極端に低い音圧が改善されたのは良いのだが、ブックレット記載の作曲クレジットが全部間違っていて(他のタイトルのものと入れ替わっているのでは?)ちょっと残念。

2014-10-05

レオ・ブルース「ミンコット荘に死す」


寝室で自殺しているのを発見された男には、そうする動機がない上、現場には不可解な状況が。ただし、彼を殺害する動機もまた見当たらなかったため、警察は自殺と判断。歴史教師キャラロラス・ディーンは独自に捜査を続けるが、やがてさらなる事件が。


1956年発表作。ディーン初登場の『死の扉』は二年前に東京創元社から新訳が出されて話題になりましたが、この『ミンコット荘に死す』はシリーズ3作目です。装丁はこれもレトロ風味なもので、(出版社が異なるにもかかわらず)『死の扉』と同じデザイナーが手がけたそう。

非常にオーソドックスな探偵小説らしく物語は進んでいきます。証拠は見つからないが機会はだれにでもありそう。そんな煮え切らない状態が続き、中盤くらいまでは結構地味(もっとも、最後まで読めばこれは必然であることがわかるのですが)。ディーンの教え子であるプリグリー君の活躍場面が少ないのも物足りないな。

フーダニットとしては既存のアイディアを一捻りしたものであって、これだけでも結構面白いのだけれど、本作の肝は意外な動機。そして、それが判明するのは、まさしく終盤に犯人の計画が完遂された時点である。取り立てて特徴の無いようにみえた物語に、この作者らしい捻くれた趣向が隠されていて、これはお見事。
ただ、謎解きそのものは分量はあるけれど、わりに大雑把。黄金期の作風を踏襲しているようでありながら、読みどころはプロットということになるでしょうか。

期待の仕方を間違えなければ、楽しんで読めるミステリだと思いますよ。

2014-10-04

George Harrison / Living In The Material World


1973年、前作「All Things Must Pass」から二年半ほどのインターバルを挟んでのリリース。
スロウの曲が多めに入っているのだけれど、それらではサウンドがもっさりというか、どうも焦点がはっきりしないような感じ。オルガンはもっと控えめなほうが良かったんじゃあ。特にアルバム後半では似たようなテンポのものが並ぶことで、互いの印象を打ち消しあっているきらいもあります。続けて聴くと、かったるい。CDのボーナスに入っているシングルB面曲のような、リラックスした雰囲気のものがチェンジ・オブ・ペースとして混じっていれば、と思うのですよ。
そういった詰めの甘さもまた、ジョージらしいという気はしますが。個人的には軽快な曲が入ったアルバム前半部分のほうをよく聴きます。

シングル・カットされたのが "Give Me Love (Give Me Peace On Earth)" で、ジョージにとって二曲目のチャート・トッパー。なのだが、曲自体はあまりあざといところの無い素直なプロダクションのもの。当時の人気はすさまじかった、ということなのだろうな。タイトルを連呼する部分のメロディーがバックに対してずれていくのがフックといえば、そうか。スライドのキレは勿論、ジム・ケルトナーによるドラムの組み立ては素晴らしいし、クラウス・フォアマンの弾くベースもよく唄っています。
都会化したスワンプ・ロック、という印象のファンキーなミディアムが "Sue Me, Sue You Blues"。アラン・トゥーサンと共通するようなセンスも感じられ、ここ最近、特に気に入っています。サビ部分やエンディングのフュージョンっぽい演奏も格好いい。
"Don't Let Me Wait Too Long" はカスタネットやティンパニも入って、ガール・グループの線を狙ったのでありましょうか。ロイ・オービソン風の "Who Can See It" もそうですが、ライターとしてもシンガーとしてもそんなに器用というか何でもできるひとではないせいか、ジョージ・ハリスンの曲以外の何物でもない、という仕上がりですな。

新リマスターは2006年版と比較すると音圧が抑え目に。そのせいか、音像に奥行きが感じられるようになったのでは。高音も気にならず、落ち着いて聴けますわ。