アルバム全体、すごく無駄がないのにニュアンスが豊かで、特にチャーリー・チャールズの特別なことはしていないようなのに格好いいドラムに、これは何なんだろう、なんでこんなに気持ちいいんだ、と。このレコードと後、アル・グリーンですね、ドラムに注目して聴くようになったのは。叩き方は勿論、音色も素晴らしい。
にしても、初期のブロックヘッズはよろしいですね。ノーマン・ワット=ロイとチャーリー・チャールズという最強のリズム隊に、お洒落番長チャズ・ジャンケルの下世話一歩手前のアレンジ、その上で猥雑な日常を詩的に表現するイアン・デューリー。異種のセンスがちょっと無いようなバランスで成り立っていて、クールであり、また熱もはらんでいる。
「New Boots ~」の2枚組エディションにはデューリーとジャンケルが中心になって作成したデモテイクが多数収められている。それを聴くとアレンジはほぼ出来上がっているんだけれど、ところどころフュージョンっぽい瞬間があって、これがチャズ・ジャンケル本来の趣味なのかな、という気がします。
ところで、このアルバムの2枚組エディションは英DEMONから2種類出ています。先にリリースされたのが上に書いたデモ満載のやつで、これは日本盤も出ている。それとは別で、2007年に30周年記念盤としてCDとDVDがカップリングされたものもあるのだが、これはUK盤しかない。
DVDの内容は1977年12月にBBCで放送されたライヴであります。30分くらいのものではあるけど、極上のファンクから御機嫌なパブロック風味、そして激情を噴出させるパンクな面まで勢いに乗っている時期のブロックヘッズが確認できます。
ファンなら是非入手、と言いたいところなんですが、これUK盤なのでDVDはPAL形式なんですよね。再生環境があって、その上ダブリ覚悟でもいいファンなら是非。

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