2010-12-12

Colin Blunstone / One Year


ゾンビーズは若い頃、結構気合を入れて聴いていましたが、解散後のメンバーの作品はそれほど熱心にフォローはしていません。時代が違って、サウンドも全然別になってしまっていて、あまり好みではなかったので。

コリン・ブランストーンのソロ一枚目「One Year」(1971年)は時々、その存在を思い出して引っ張り出します。正直、"She Loves The Way They Love Her"、"Smokey Days" は後年になって発掘されたゾンビーズのヴァージョンの方がいいし、"Misty Roses" もティム・ハーディンのオリジナルにはかなわない、とは思う。けれど、アルバム全体の流れが凄く良いのですね。丁寧に作られた感じで、通しで気分よく聴いていられる。

プロデュースはクリス・ワイトとロッド・アージェント、ゾンビーズ時代の仲間であります。演奏もバンド形態のものはアージェントのメンバーが担当しています。他にはクラシカルな室内楽団をバックにした曲が入っていて、実はこちらの方がずっと好みなのだな。エルヴィス・コステロが「Juliet Letters」を出したときには、この「One Year」を連想したものですよ。あくまでポップソングだけれど、せいぜいアコギくらいで後は無理にロック的アレンジを混ぜようとしなかったのが吉と出ていますな。

個人的に一番好きなのはラストを飾る "Say You Don't Mind"。跳ねるリズムに美しいメロディ、ストリングスとの調和がいい。ボーカルの表情の使い分けもいい感じで、最後で裏返るところなど、たまらない。デニー・レインのオリジナルもそのうち聴いてみたい、とずっと思っているのだが未だ果たせないでいる。

声とサウンドが絶妙の相性を聴かせるこのアルバム、他にない個性を湛えた愛すべき一枚ですな。この季節、しみるねえ。

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