2020-08-08

H3O / La Musica De "H3O"


メキシコ産5人組グループ唯一のアルバム。ジャケット写真を見るとまるで1990年代のギターポップのようだが、リリースは1967年。
基本編成はドラム、ウッドベース、アコースティック・ギター、フルートときどきオルガンで、ボーカルが女性で男声コーラスが絡むというもの。

演っているのはボサノヴァ曲が多いのだけれど、この時代によくあるセルメンフォロワーかというと、そうでもないのが面白いところ(ピアノもいないし)。確かにジャズボサを達者にこなしているけれど、それ以外はクラシック曲を土台にしたインスト、割合ストレートなビートルズ・カヴァー、ゴージャスなオーケストラを従えて歌い上げるものなどあって、スタイルはまちまち。けれどポップな線はあまりはずしてはいないというところか。
更にはこのアルバム、ライヴとスタジオ録音が混じっているようである。なんか、趣旨がいまいちつかめないつくりです。

正直、ビートルズ曲の出来は面白くないですが、それ以外は全体にセンスの良さが感じられます。ボサノヴァ有名曲にしても普通に演奏しているのですが、ちょっとした味付けで、ぐっと耳当たり良く仕上がっております。
そんでもって個人的なベストは映画「The Knack」のテーマ曲のカヴァー。この曲を取り上げる時点で反則みたいなものですな。アレンジをあまり弄りすぎず、元々の良さを残しつつ、いい感じのジャジーな歌物になっていて、うむ、格好いいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿