2020-10-01

Roy Wood & Wizzard / Main Street


ロイ・ウッドがウィザードを率いたアルバムとしては最後の作品、英Esotericからのリイシュー。
元々このアルバムは1976年に「Wizzo」というタイトルで制作されたものの、先行シングルがヒットしなかったことから、レコード会社の判断でお蔵入りに。それが2000年になって英Edselより発掘されたのですが、収録曲のひとつ "Human Cannonball" はロイ・ウッド自身の意向によりオミット。この曲はしばらく後の編集盤で日の目を見、今回のリリースでは盤の最後にボーナストラック扱いで収録されております。

アルバム全体としてはサックスが大きくフューチャーされ、ジャズ要素が強く出ているのは確か。なのだが、メロディはいつものロイ・ウッド節であるし、例によってアレンジはしつこく、頭のおかしいオーボエも鳴っている。結果としてその音楽はきらびやかで、かつ実験的、しかしポップというまぎれもないロイ・ウッド。

一曲目の "Main Street" がとにかく良いです。ジャジーなアレンジと繊細でメロウなテイストのブレンドはまるで70年代のブライアン・ウィルソンのようだし、ブリッジのメロディにはロジャー・ニコルズを思わせる瞬間もあって。いや、この一曲で元がすべて取れる、グレイト・サンシャイン・ポップ。
その他の曲には、ムーヴ中期以来のヘヴィな面を引き継いだようなものもあるけれど、割合にすっきりしている方だと思う。逆にスウィング・ジャズをベースにした "French Perfume" という曲などはお洒落ポップになりそうなアレンジなのだが、ガッツがあり過ぎる演奏や歌唱とダイナミックな展開により、結果、スケール感あるものに仕上がっているのが面白い。やはりオリジナルなひとですな。

明快さと複雑さが自然に混交した、これもロイ・ウッドでしかありえない一枚。

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