2010-08-04
Dave Frishberg / Oklahoma Toad
1970年にCTIレーベルからリリースされた、デイヴ・フリッシュバーグのファースト・ソロ・アルバム。我が国ではヴィヴィッドからCD化されていたが、それも入手し難くなって結構経っていました。それが今回、なんと2枚組のデラックス・エディションで登場です。
フリッシュバーグの本業はジャズ屋、ということなんだろうけど、このアルバムには凄く親しみやすいポップソングが満載。それらの楽曲は全て詩・曲とも本人によるものですが、これがかなり、粒ぞろいで。フックのあるドリーミーなメロディ、ユーモラスな(ときに意味不明な)歌詞。伝統的なアメリカのミュージカルライターたちからの流れを感じさせるような、品というか筋みたいなものも感じます。
で、それらの曲を唄うボーカルはとくに上手い、というものではないですが、人懐っこくて肩の力が抜けた、洒脱な味わいのものであります。また、本職である鍵盤の方も気持ちよく転がっていますね。
プロデュースはマーゴ・ガーヤンと彼女の旦那であるデヴィッド・ロスナーが担当。曲によって、カントリー風だったり、サイケがかったり、変拍子を絡めたり、ファンキーに迫ってみたりと、さまざまな意匠を凝らしながらも、全体としては穏やかな手触りであります。
さて、今回のリイシューですが。付属ブックレットを読むと、そもそも、このアルバムは制作を終えた後になってからCTIとのリリース契約がなされたそうで、その際にオーバダビングやリミックス、曲順の変更という条件があったとか。でもって、2枚組CDの1枚目にはCTIミックスとして従来ヴァージョン、2枚目にはプロデューサーズ・ミックスと称して、クリード・テイラーやヴァン・ゲルダーらの手が入る前のものが収録されています。
実際に1枚目のCDを聴いてみると、音は以前のものより分離良く、クリアになっていますが、そのせいか曲によっては派手で、ロック的なエッジが強調されたようにも。
比較して2枚目は装飾を抑えたシンプルな印象ですが、同時に演奏のスウィングする感じが強く伝わってきます。曲順の違いも結構、大きいな。
よりパーソナルな雰囲気でもありまして、ブロッサム・ディアリーとの近しさがこれまで以上に感じられますね。
馴染みのアルバムの違った面が見れた、という感じでありました。惚れ直した、うん。
ところで、このパッケージは紙ジャケ仕様なのだけど、出来はちょっと微妙かな。
もともと「Oklahoma Toad」のアナログはシングルスリーヴであったのに、2枚組にするためにか見開きジャケに変更されております。内側には歌詞がプリントされているのですが、字が小さくて読みにくい。またジャケ表のCTIのロゴは消されていますが、これは仕方が無いのか(しかし、ブックレットの表紙はこのジャケットそのままなのだけれど、それにはCTIのロゴが残っているという)。
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