2018-11-04

The Action / Shadows And Reflections: The Complete Recordings 1964-1968


アクションのコンプリート集4CD。再結成以前の音源は一通り入ってます。英Cherry Red傘下のGrapefruitからのリリースで、監修は実績と信用のアレック・パラオだから、まず安心。
ブックレットも写真満載かつ、グループの歴史がしっかり書かれたもので、レコーディングのデータやエピソードも細かくあって、読みでがあります。
しかし、CDの収納が独特で、ちょっと面食らった。トレイ真ん中に爪がなくて、周辺部を押して引っ掛けるタイプ。耐久性に不安を感じるのですが。




ディスク1は「ESSENTIAL ACTION: THE PARLOPHONE MASTERS」と題され、ジョージ・マーティンの手掛けたスタジオ・レコーディングとBBCセッション5曲の全22曲がモノラル・ミックスで収録。
彼らのシングル曲の殆どについては、そのオリジナルのミックスでは初のCD化となります。これまでは'90年に作成されたリミックスがずっと出回っていたわけです。とりあえず、これがアクションのスタンタードであるよ、と。荒々しさだけでなく、しなやかさを感じさせるR&Bの消化の仕方が実にモッズど真ん中、という感じで粋ですなあ。
BBCのほうは(ここに収められた分に関しては)音質良好、モータウンやバーズのカバーも演ってます。

ディスク2は「THE ACTION AT ABBEY ROAD: STEREO MIXES AND OUTTAKES」。ステレオ・ミックスが15曲にリハーサル、別テイク、バッキング・トラックらで計24曲、全てが初登場となります。
これらは新規にマルチトラックよりミックスされただけあって、すごくクリアな音質です。息遣いのようなものが生々しい。今回のリリースでの一番の収穫でしょう。また、リハーサルのラフな感じも中々の格好良さ。ボーカルもシングル・トラックだし、曲によってはアレンジの違いも聴けて良いです。

ディスク3は「ROLLED GOLD PLUS: THE LOST 1967-1968 RECORDINGS」。「Rolled Gold」もしくは「Brain」といったタイトルで'90年代半ばに出された音源が15曲に、レグ・キング脱退後の曲が5曲(これらは1985年に「Action Speak Louder Than...」としてリリースされましたが、メンバーには無断であったとのこと)。
「Rolled Gold」は元々がモノラルのデモテープ、それをコピーしたものであり、曲によってはアセテートから起こしたとあって、やはり音質には幅があります。なお今回、編集の違う複数のソースからできるだけ長いものを選んだ、とは記されています。また、いくつかの曲はこれまでのものよりテープ・スピードを適正にした、とも。
スモール・フェイシズとプリティ・シングズの間を行くようなこれらサイケ・ポップは今聴いても十分に格好良いっす。

ディスク4「EXTRA ACTION」はここまでに入らなかった残りをさらったという内容。
前身バンドであるボーイズの曲から、デッカでのオーディション音源、BBC出演時のもの(こちらの音質はまちまち)が12曲目まで。あとは尺が余ったのか1990年にEdselからリイシューされたときに作られたミックスから8曲が選ばれています。
BBCでも実際に客前で演ってるものは熱が違いますな、うむ。あと、Edselミックスは改めて聴くとエコーが深くて、オリジナルと比べるといじった感があるかな。

しかし昨年のクリエイションといい、アクションまできちっとした形でまとめてくれたので、個人的にはもう目ぼしいところは残ってないかも。

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