2018-10-21

青崎有吾「図書館の殺人」


高校生、裏染天馬が探偵役を務めるシリーズの第三長編。文章はかなりこなれているし、パズラーとしても来るとこまで来たという感じで、平成のクイーンの名に恥じない出来栄え(平成はもう終わっちゃうけど)。一見わかりきったようなことでも、その過程をねちっこく検証するうちに意外なことが明らかになっていく、その手つきが堂に入っています。
また、ダイイング・メッセージを巡る推理が凄いですな。現代にあえてこの趣向を扱うなら、ここまでやりきらなくては面白くないよね。

消去法が進むうちに容疑者が全ていなくなってしまう。そして、そこから急転直下の犯人確定。探偵小説ファンにはしびれる展開だ。しかし、伏線がよほど巧くないと、それまでに展開された推理全体の強度を疑わせるものになりかねない。また、読者が「それアリだったら、他にも可能性があるじゃない」と考える余地も出てくる。今作はそのあたりが不十分だと思います。
あと、一番鮮やかだったのが、ある手掛かりが犯人による偽のものだということを証明する場面だったのだが、この証明によって大きく何かが変わったかというと、そうでもないような気がする。

ケチを付けましたが、それだけレベルが高いということなので。もっと、もっととなってしまったのです。
犯行動機の収まりはいい。謎と論理の物語としては、確定できない事柄について、これ以上はやりようがないだろう。
また、物語としての締めもこの作品ではすべっていない。実にきれいに決まっています。

うん、めちゃくちゃ面白かった。

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