2019-02-11

Utopia / Deface The Music


トッド・ラングレンのユートピア、1980年のアルバムはビートルズのパスティーシュというかオマージュというか、そういうもの。
しかし、改めて聴いてみるとメロディやアレンジはともかく、楽器の音色やミックス等、サウンド面からはそれほど似せようという意識は感じないですね。鍵盤とか嘘みたいだ。トッド・ラングレンはソロの「Faithful」で'60年代の有名曲のコピーを披露しているので、もっとやろうと思えば出来たはずですが。ソロとグループの違いでしょうか、マニアックな楽しみよりダイナミズムを優先したのかもね。

このアルバム、ビートルズの音の変遷をたどるような構成になっていて、初期ビートルズを意識した曲では、なるほど、それっぽいなあ、と思うわけですね。けれど、アナログB面にあたる後半のほうになると、別にビートルズ云々がなくても楽しめるポップソングも多いんですよ。"Hoi Poloi" なんて後のジェリーフィッシュみたいだし、"Always Late" はビートルズよりもスタックリッジに近いんじゃないかな。また、サウンドでいうと "Feel Too Good" はXTCの「Skylarking」のそれと共通するものがあります。

判りやすいかたちでのトッドらしさは希薄なのですが、実のところ多岐にわたるユートピアの音楽の中で、個人的にはこのアルバムが一番肌に合うのですね。

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