2019-11-10

The Beatles / Abbey Road


「Abbey Road」のリミックスを聴いて考えたのは、なんでこんなものをわざわざ作ったのだろう、ということだ。全体としては大して印象の変わらないものを作る、その意図がわからない。音質が劇的に向上しているとも思わない。これならオリジナルを聴けばいいじゃない。

しかし、そもそもリミックスというのは昔の素材ほど扱いが難しい。ビートルズの音楽に新たなセンスを付け加えたものなんて聴きたいか? しかも実際のレコーディングに関わったやつらはいないんだぜ? どうしたって勝ち目は無い。
そうすると、制作者の意向はむしろ、未発表テイクの仕上がりにこそ反映されているのではないか。ドライなエコー、ソリッドなギターは実に格好いい。本編よりもバンドらしいダイナミズムを感じる。この調子でアルバムもミックスできればよかったのだろうが。

ブックレットの最初のページ、とてもダサい。それはそうと、なんで「THE」をつけたのだ?

よくアルバム「Sgt. Pepper~」について、楽曲の出来自体がいまいち、という意見を見るのだが、個人的には「Abbey Road」のほうが落ちるじゃん、と思っている(勿論ビートルズとして、という高いレベルでの話ではあるけど)。しかし、サウンドのつくりやアレンジ、構成での聴かせかたがとんでもなく素晴らしい。それが後進のUKモダーンポップに与えた影響がなんて始めると、またしゃらくさい話になってしまいそうだ。


"Oh that magic feeling, nowhere to go"、つまりはそういうことなのね。このくだりにくるといつも、うんうん、その感覚なんだよ、となる。まったくうまくは説明できないけれど、夢の中かもしくは海底みたいなね。

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