2020-06-06
Richard "Groove" Holmes / New Groove
オルガン奏者、リチャード・ホームズによるジャズ・ファンク盤。1974年、Groove Merchantからのリリース。
ドラムがバーナード・パーディ、なのでグルーヴはある程度は保証されたようなものなのだが、この盤ではドラムが左、ラテン・パーカッションが右チャンネルに配置。でもって、ベースラインはホームズ自身の左手によるもので、非常に太く、くっきりした存在を示していて格好いいです。これでゴリゴリ攻められるとちょっと胸焼けしそうだけれど、演奏時間がうまい具合にコンパクト。また、二本入っているギターのうちリードを取っている方がカラフルというかヴァーサタイル、それでいて押すときは押す、という物のわかったプレイでアルバム全体の風通しのよさに貢献しているよう。
全7曲中、3曲がホームズの自身の手になるもので、うちオープナーの "Red Onion" は重心低めのスロウ・ファンク。パーカッションが熱を煽りつつ、リズムギターがルーズな雰囲気を強調する。これがファンクとしてはアルバム中、一番の出来ではないかしら。なお、あとふたつのオリジナル曲は割合にオーセンティックなオルガン・ジャズであります。
カヴァー曲ではメロウな要素を意識しているのか、ジョビンの曲が "Meditation" と "How Insensitive" のふたつ取り上げられています。リズムは全然ボサノヴァではないもののパーカッションの働きでラテン風味は出ていますし、ある程度の瀟洒な味付けもなされています。
また、スティーヴィー・ワンダーの "You’ve Got It Bad" は都会的なテイストをたたえた仕上がりで、スタッフあたりのR&B寄りフュージョンを意識しているふしも。
そして、その "You’ve Got~" とともに時代への目配りが感じられるのが "No Trouble On The Mountain"。ギタリストのリオン・クックが書いたアルバム中で唯一の歌もので、ボーカルの線が細いことが、かえってニューソウル感につながっているかと。
編成はホーンも入っている、そこそこ大きいものだけれど、雰囲気はインティミット。各プレイヤーの持ち味をしっかり出しながらも全体にそこまでコテコテ感はなく、バラエティにも配慮されたいいアルバムです。
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