2009-09-03

Blossom Dearie sings Rootin' Songs


1963年発表。もともとは、アメリカのルート・ビア (Root beer) というソフトドリンクの販促用に配布されたアルバムであります。
ジャケットにはブロッサム・ディアリーが弾き語りをする姿が写真が使われているが、このアルバムで彼女はピアノを弾いておらず、唄だけ。そのせいかどうかは判らないけど、全体に唄のキーがいつもより低めであって、可憐さはやや控え目で落ち着いた感じ(ブロッサムにしては、ね)。

演奏はジャズカルテットが受け持っているのだけれど、レコードそのものはジャズファンに向けて制作されたものでないので、収録された曲も当時のアメリカでよく知られたものばかり。「酒とバラの日々」「想い出のサンフランシスコ」「暑い夏をぶっとばせ」「デサフィナード」「燃える初恋」「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」など。アルバムタイトルの「rootin'」は「routine」にかけているわけだ。
それでもアレンジは安易なものではなく、それぞれに一ひねり。「酒とバラの日々」のような曲でも、テンポ早めのボサノヴァ仕立てながら、ブレイク部分では拍子が変わってスリルを感じさせる仕上がり。

コンパクトにまとまったジャズボサに乗って、凛と立ったブロッサムのヴォーカルがスウィングするポピュラー好盤であります。

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