2016-12-11

Friedrich Sunlight / Friedrich Sunlight (eponymous title)


ドイツの5人組グループ、そのファースト・アルバム。あいにくドイツ語はさっぱりなので、彼らのことについてはあまりわかっていないのだが、オフィシャルのツイッターには「Soft Rock band」と書かれています。ボーカルは日系人で、今までにもいくつかのグループでレコードを出してきているようなのだけど。

そこそこ年季が入ってそうな風貌

ソフトロック、といってもレトロなアレンジの作り込みがあったり、豪奢な管弦が入ったりするわけでもない。実際の音のほうはバンドらしさが感じられるもので現代のギターポップ、あるいはネオアコといったところ。
ほぼ全編、さわやかで風通しのいい演奏に中性的なボーカルが乗っかる、といった具合であって、さほど凝ったこともしていないのだが、それが却って瑞々しさに結びついているようではある。ところどころで「パッパ~」というコーラスが入ると、俄然サンシャイン・ポップぽさが強くなるのが不思議。

とにかくメロディ勝負、といった曲が並んでいるのだけれど、中でも、鍵盤が4分音符を刻む "Sommer Samstag Abend" の歌い出しがロジャー・ニコルズ丸かじりで思わず嬉しくなってしまう。まったくいいカモだよな、俺は。また、"Gütersloh" という曲はペイル・ファウンテンズへのオマージュのように聴こえる。
他にもフリー・デザインやアソシエイション、パレードあるいはXTCの曲なんかを思わせる瞬間はあるけれど、そういった部分が決して浮いておらず、ごくごく自然な形で消化されているのがいい。要は、あざとくないのだ。

過去の音楽への愛情を感じさせつつ、単なる趣味や懐古ではない、コンテンポラリーな手触りで再現された魅惑のポップソング集であります。しかし、こういうスタイルのグループはどういうわけか長続きし難いのよなあ。気付いたらソロユニットになっていたりして。

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