2017-09-16

The Stylistics / The Stylistics (eponymous title)


ダスティ・スプリングフィールドの「A Brand New Me」を聴いたら、トム・ベルのアレンジってやっぱいいな、と感じ入って。色々と引っ張りだしていました。
トム・ベルが作編曲からプロデュースまで手掛けていたグループとして思いつくのは、大体の年代順にデルフォニクス、スタイリスティックス、そしてスピナーズといったところ。前二者はファルセット・リードのスウィート・ソウルというのが大雑把なイメージですが、スタイリスティックスの方が快活な抜けの良さを感じます。ラッセル・トンプキンズ・Jr.のクセの無いボーカル、そのキャラクターゆえ、ですかね。特にセカンド・アルバム以降は曲調のバラエティが広がり、メロウなミディアム・ダンサーでのテイストは同時期のスピナーズにも共通するものです。

といっても、スタイリスティックスに関しては今までデビュー・アルバム(1971年リリース)を一番多く聴いてきました。ヒット・シングルや有名曲が多いですしね(セカンドの「Round 2」は一曲目の "I'm Stone In Love With You" でつまずいてしまうのだな、ポピュラー味が強すぎるようで)。

全体に曲の質が高いアルバムだけれど、昔から "People Make the World Go Round" だけがどうにも、あまり好きではなかった。社会的メッセージのせいか、はたまたダークな雰囲気のせいか、どちらかといえばオージェイズ向きの曲じゃないかと。エンディングもやけに長いしね。
しかし、今回トム・ベルの仕事ということを意識して聴いていたせいか、バックトラックはいいじゃないか、と思いました。凄くバカラックっぽいのですね。この曲に限ったことではないけれど管楽器の柔らかな使い方がとても好みで、歌メロのラインをなぞるところなどたまらない。アール・ヤングのドラムもまた、格好いい。

しかし、手元にあるものでも聴き直せば発見があって、ますます新しいものに手を出す必要を感じなくなってきますな。

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