2018-05-19

Revelation / Revelation (eponymous title)


リヴェレイションという名の詳細がわからない混声ボーカルグループによる、1969年か'70年にマーキュリーから出されたアルバム。ジャケット裏には「THE MUSIC OF JIM WEBB IN A NEW SETTING BY REVELATION」とあり、収録曲は全てジミー・ウェッブの作品で固められています。
プロデュースはブラッド・ミラーという、オーディオファィル御用達であるモービル・フィデリティ・レコーズの創立者が、アレンジにはリチャード・クレメンツがクレジットされています。ブラッド・ミラーはイージー・リスニングにSEを混ぜたレコードをヒットさせていたひとですが、どうも自身にはさほどの音楽的な素養はなかったよう。クレメンツのほうはバッキンガムズのアレンジに参加したりしていて、'70年前後にはミラーとともに数枚のレコードを制作しているようであります。
録音はロンドンとサンフランシコのスタジオが記されていて、おそらくオケを英国で作り、歌入れや少々のSEを入れるのを米国で行ったのではないか、と推測されます。想像ばっかりですが。

収録されている12曲は最初に触れたように全てジミー・ウェッブの作品ですが、ここが初出かと思われるものが3曲ほどあります(リリース時期が確定できないのですが、もしかしたら5曲かも)。他にはテルマ・ヒューストンのアルバム「Sunshower」(1969年)にも入っていたものが4曲ありますが、仕上がりからはかなり異なった印象を受けます。
このアルバムと違い、ジミー・ウェッブが作曲だけでなく全面的に制作に関わったアルバムには割合によく知られたものがあります。先に触れたテルマ・ヒューストンの他にジョニー・リヴァース、リチャード・ハリス、フィフィス・ディメンション等々。それらと比較すると、このリヴェレイションの歌やコーラスは美麗ではありますが、個性や存在感はそれほど感じないのです。というか、主役はシンガーではなくて曲のほうだ、というつくりではないかな。じっくりと聞かせるよりも、軽快さのほうが勝っている、とも言えそう。

当然のように良い曲ばかり、それらをソフトサウンディングに仕上げたアルバムなわけなので、単純に聴いていて気持ち良いですね。
似た趣向であるレヴェルズの「The Jimmy Webb Songbook」もどこかでリイシューしてくれないかしら。

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