2018-10-20
Leroy Hutson / Love Oh Love
今年になって英Acid Jazzより、リロイ・ハトソンがCurtomに残したカタログがリイシューされています。ディスコの「Unforgettable」以外は購入していますが、シングル曲等のボーナストラックが付いて、マスタリングもちゃんとしたもの。音圧がでかくないと不満なドンシャリ耳のひとが気に入るかは知らんけどさ。
ファーストの「Love Oh Love」は1972年のリリース。ファーストといっても裏方も含めると既に充分にキャリアがあったので、しっかりとした作品に仕上がっている。
音のほうはゴージャスながらオーソドックスなシカゴ・ソウルという感じ。アレンジはいくつかの曲でトム・トム84やリッチ・テューホが手を貸しているが、それ以外はハトソン自身によるもの。カーティス・メイフィールドやマーヴィン・ゲイを思わせる部分はあれど、後の作品のように、もろにアレだな、というところが少ないので、落ち着いて聴いていられるし、インプレッションズでリードを取っていたひとのソロだ、と考えても違和感はない。色の無い歌声もここではオケに負けずに収まっているように思う。
リロイ・ハトソンの音楽は凄く良く出来ているけれど、強い個性には乏しい。その変化も時代とともに作っていくというより、流行に敏い、というのが的確なところだ。肉体性に乏しい歌声もあってか、後味を残さない。だが過剰なものがない、そのことはこのひとの美点でもある。
昔は、このオケにもっとディープなボーカルが乗っかってればなあ、などと感じていたのだが。いや、これでいいのだ。
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