2019-08-18

The Spinners / While The City Sleeps


英Kentは近年、モータウンの古いカタログからの発掘にも力を入れていますが、そんなKentより昨年に出されたのがこれ。副題は「Their Second Motown Album With Bonus Tracks」ということで、スピナーズのアルバム「2nd Time Around」にボーナストラックとして当時は未発表だった曲が13曲収録されています。
"It's A Shame" を聴くたびにいつも気になっていたのがイントロのギターのよれというかノイズ。Kentならひょっとして、と思っていたのですが、やっぱりありました、残念。しかし、それを除けば例によって良好なマスタリングであります。


「2nd Time Around」は1970年、"It's A Shame" の大ヒットを受けて急遽制作されたアルバムで、その内訳はシングルで出ていた曲に加えて、録音されていながらそれまでリリースされてこなかったものが4曲、そしてアルバム用に新たにレコーディングされたヒット曲カバーが3曲。録音時期には1967年から'70年とやや幅があります。
この時期のスピナーズというと、やはりG.C.キャメロンの豪快なリードが聴き物。特に、強目にミックスされたリズムに対して真っ向から渡り合う "Souly Ghost"、一転して甘いバックに荒々しい歌唱のコントラストが映えるファイヴ・ステアステップスの "O-o-h Child" と続くところが格好良い。
また、ボーカルグループとしての聴かせどころもあって、それがアルバムに幅を持たせているのですが、曲によってはもろテンプテーションズ・スタイルのコール&レスポンスも繰り出されます。ライナーを読むと実際、いくつかの曲はもともとテンプスにあてがわれたものであったそうで、スピナーズはモータウンでは二番手以下の存在だったのだな、と再認識したり。


ボーナストラックは13曲中配信オンリーで出たものが3曲、残りは完全未発表ということになります。もっともスピナーズはモータウン在籍時に130曲を録音した、ということなのですね。この盤に収録されたものに関しては完全に仕上げられたものばかりで、出来もそこそこのレベルはクリアしているとあって、流石は往時のモータウンという感じではあります。

0 件のコメント:

コメントを投稿