2023-10-09

Dee Dee Warwick / Foolish Fool


ディー・ディー・ワーウィック、1969年にMercuryよりリリースされたセカンド・アルバム。
二年前に出されたファーストがそうであったように、それまで断続的に録音されていたものを集めたもので、シングルが当たったタイミングでそれらをまとめて出した、という感じ。

ゆえに統一感はないですが、内容はいい。全11曲中6曲は前作でも大半を手掛けていたエド・タウンゼントがプロデュース。アレンジャーはレネ・ホールで、このふたりはマーヴィン・ゲイ「Let’s Get It On」A面でもおなじみの組み合わせ。落ち着いた調子の曲が多いのだけれど、ヒットしたタイトル曲は固めのドラム、リード・ギターが妙に恰好よく、迫力あるボーカルをあおる。都会的なミディアム "Where Is The Rainbow" も爽やかで良いです。
また、ギャンブル&ハフがプロデュース、ジョー・レンゼッティがアレンジの “It’s Not Fair” はオーソドックスなスロウかと思わせていきなりの転調が印象的。

個人的に好みなのはジェリー・ロスが制作した2曲で、アレンジはジミー・ウィズナーが担当。"When Love Slips Away" はイントロからして高揚感のあるミディアム・スロウ。"Don't You Ever Give Up On Me" はすこしモータウンを意識したふしも感じられる、伸びやかなノーザンダンサー。
あとニーナ・シモンが初出となる "Don't Pay Them No Mind" は実はディー・ディー・ワーウィックのほうが先に録音していて、という。ニーナ・シモン版の方がアレンジがシンプルな分、楽曲自体のもつ魅力はダイレクトに伝わってくるのだけれど、ビブラートがどうも苦手で。いずれにしてもいい曲ではあります。

唄が凄くうまいのに、変に曲を崩したりはしない。こういうシンガーが好きなのですよ、わたしは。

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