2009-12-05

James Brown / Live At The Garden

ジェイムズ・ブラウン1967年のライヴアルバム、「Live At The Garden」がHip-O Select から2枚組拡大盤で出ました。5千セット限定だそうです。

このライブ盤の元々のものは、演奏はともかく、音が良くない上に編集も乱暴であって、ちょっとファン以外には勧められるものではありませんでした。その上、ジャケットのセンスもピンとこないものだし、そもそも「~ Garden」というタイトルなのに、実際は大会場であるマジソン・スクエア・ガーデンやボストン・ガーデンではなく、ラテン・カジノというサパークラブで収録されたもので、ちょっと詐欺っぽい。まあ、そのくらいのことで文句言ってちゃあJBのアルバムなんて聴いてらんない、というのも事実でありますが、翌年に出た「Live At The Apollo Volume Ⅱ」が代表作のひとつとして評価されているのと比べると、明らかに落ちる存在であって、初めてCD化されたのもかなり後になってからでした。

さて、今回の拡大盤ではオリジナルのモノラルLPを全収録した他に、新たに4トラックからミックスし直したものが入っています。この新ミックスでは、音が良くなっているのは当然として、前座の(といってもJBも参加しているのだが)インストと、それまでは短く編集されていた本編のショウの全容がしっかり収録されています。オリジナルのアルバムとは別物と言っていいんじゃないかというくらい、はっきりと見違える出来になっていて。というか、今まで随分もったいないことをしてたのな、という感じです。

肝心の演奏の方ですが、収録されたのがアポロシアターでのライヴ盤の半年くらい前なのだけれど、そちらとも結構違いますね。アポロでのライヴではすっかりファンキーソウルのスタイルが馴染んでいて、余裕も感じられるものでしたが、この「Live At The Garden」ほうは、性急さが勝っているという印象。まだ "There Was A Time" や "Cold Sweat" なんて曲が無く、過渡期といった風も。
また、そういった曲が無いせいか "I Got You (I Feel Good)" はフルコーラス演っていて、これは嬉しい。この曲、後のライヴになるとメドレーで2、30秒くらいしか演らなくなるので、サックスソロもしっかり聴けるここでのヴァージョンはいいですね。

で、今回の新ミックスでの一番の目玉は "Papa's Got A Brand New Bag" になるかな。この曲、オリジナルLPでは本来の曲を半分くらい切り出して、"Hip Bag '67" というタイトルを付けて収録されていたのですが、今回は9分越えの煮えたぎる演奏をフルで堪能出来ます。
あと、未発表であった "Come Rain Or Come Shine" というスロウでは、何故かロン・カーターがベースを弾いているらしく(と言ってもあんまり聴こえないんだけど)、これも発見、ということになるかなあ。

とりあえず嬉しいリイシューでありますが、ホント、'60年代のJBのカタログはちゃんと整理し直して頂きたいものではあります。

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