2010-10-31

Mitch Ryder & The Detroit Wheels / Detroit Breakout !


ミッチ・ライダー&ザ・デトロイト・ウィールズが1965~68年にNew Voiceレーベルに残した録音をまとめた、50曲入りの二枚組コンピレーションCD。

このバンド、レパートリーの殆どが黒人R&Bのカバーであって、そういう点ではイギリスのバンドがやっていたことの後追いなのだが、とにかく演奏に迫力があって、しかもかなり上手い。荒々しさを演出しながらもコマーシャルである点は外しておらず、ここらはプロデューサーであるボブ・クルーの力なのだろう。バンドのパワフルな演奏が削がれることなく、しっかり録音されているという点も大きいです。あるべき姿がクリアだったのだな。
ミッチ・ライダーのボーカルは勿論、格好いいのだけれど、そのしゃがれ声は色気の方が勝っているような気がします。決して勢いだけじゃない。

どの曲もノリが良く、気分良くかけていられますが、やはり代表曲の "Jenny Take A Ride" と "Devil With The Blue Dress On/ Good Golly Miss Molly" が気持ちいい。聴いていると否応無しに体が揺れてきますよ。
最高のパーティバンドですな。

このCDには、ライダーがバンドから独立した後のソロ曲も収められているんだけど、バンド時代のスタイルを継承したものもあれば、オーケストラをバックに歌い上げているバラードもあったり。時代的にもプリミティヴなスタイルで売っていくのが難しくなってきたのか、やってることは基本的に同じでもアレンジにやや華美なところが感じられたりしますし、二番煎じめいた面もあって、初期と比べるとややテンションが緩いのは仕方ないところか。

芸術的野心なく、刹那の快楽だけを追い求めたロックンロール。あんまりややこしいことを考えずに気楽に聴いてられる、というのがいいですな。

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