2011-12-10

The Monkees / Instant Replay


モンキーズの1969年のアルバム「Instant Replay」がライノ・ハンドメイドから三枚組仕様で出ました。
「Instant Replay」はピーター・トークが脱退、三人組になってからは初のアルバムで、サウンドトラック盤「Head」のリリースよりわずか二ヶ月後に発表されたものであります。
内容としてはメンバーそれぞれが制作した曲と、過去にレコーディングされたものの未発表であったものが半々で構成されています。この頃にはグループは既にキャリアの終盤に差し掛かかりつつあったのだけれど、そういった事情を気にしないで聴けば、ゴージャスなプロダクションによる、凄く良くできたアルバムで、「The Birds, The Bees and The Monkees」と比べても少しも落ちることがないと思います。
ソフトサウンディングな面が強調された佳曲が多いのだけれど、中でもキング&ゴフィン作の "I Won't Be The Same Without Her" なんてマイナーなソフトロックのグループ程度は軽く吹っ飛ばす出来。あと、異色なのがニール・ヤングの独特のギターが鳴り響く "You And I"。ロック色が強くて、格好いい。

パッケージを開くと7インチシングルが

紙ジャケットに収められたCD3枚にブックレット

紙ジャケットの裏はこんな感じ

ディスク1「Stereo Album And More」はステレオミックスによるアルバム本編と、当時制作され、後にさまざまな編集盤に収められていたレアトラックが中心で、28曲入り。
個人的には、マイケル・ネスミスが'68年にナッシュビルで行なったセッションが一箇所に纏められたのが嬉しい。ハリウッド制作のカントリーポップ "Nine Times Blue"、"Carlisle Wheeling" も併せて堪えられないのだけれど、既にソロの領域でもあるような。

ディスク2「Mono Mixes And Rarities」はモノミックス集で、こちらは29曲入り。「Instant Replay」はモノラルではリリースされていないので、アルバム収録曲全てのモノヴァージョンは揃っていないし、ボーカル違い、別アレンジのものも含まれていて、やや中途半端かな。それでも "A Man Without A Dream" はリズムが強調されていて、いい感じ。
その他、当時制作されながら未発表であったモノミックスが片っ端からかき集められているようです。中にはステレオとはかなり印象の違うものもあって、面白い。

ディスク3「Sessions」は収録30曲のうち19曲がバッキング・トラック・セッションで、ボーカルが無いものをこれだけ聴くと、ちょっと辛いか。
なお、TVショウ「33 1/3 Revolutions Per Monkee」で披露された曲のバッキングトラックも収められてるのですが、後半にはちゃんとボーカル入りのものも5曲あって、これは嬉しい驚き。

「Head」の三枚組はネタ切れ感が強かったけれど、今回の「Instant Replay」はちょっと持ち直したように思う。当然「The Monkees Present」も出るんだろうな、うん。

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