2015-12-13

The Beach Boys / Beach Boys' Party! Uncovered and Unplugged


「Beach Boys' Party!」(1965年)のなんというか、アウテイク集2CDであります。
実は、ビーチ・ボーイズの作品中でも「Party!」にはそれほど思い入れがないのですよ。元々がキャピトルからのリリース要請をしのぐために制作されたものであって、曲はカバーばっかだし、演奏・アレンジとも非常に簡素。だから今回のリリースのことを知ったときには、意外に思いました。「Pet Sounds Sessions」や「SMiLE」の次がこれなの? という。
ところでタイトルには「Unplugged」とあるけど、いくつかの曲ではエレクトリック・ベースも使われています。

ディスク1最初の12曲はアルバム収録曲を、パーティ・ノイズを入れずにステレオ・ミックスしたもの。ちなみに「Party!」のオリジナルはモノラルしかなかったのだけれど、三年前にモノ&ステレオの形でもリイシューされています。
実際、聴いてみてどうだったかというと。クリアさは劇的に向上して、ディテイルまでくっきり。中でも2曲のスロウ、エヴァリー・ブラザーズの "Devoted To You" とクリスタルズの "There's No Other (Like My Baby)" は美しさが際立つ仕上がりになっていて、いいですね。


あとはセッションからのものが69トラック(会話を除くと50トラック)、時系列順に収録されています。特にアルバムに入らなかった曲はなかなか新鮮です。ストーンズの "(I Can't Get No) Satisfaction" なんて、なんとかして詰めようとしている。ビートルズ、ディランを取り上げてるので、ストーンズもひとつ入れたい、というところだったのでしょうか。また、既発曲では "Hully Gully" のリードを取るのが最初、マイクでなくブライアンであって、これは嬉しい。
ただ、全体に楽しげな雰囲気はいいけれど、なんとなくその場の思いつきで歌っているような曲もあって、ビートルズのゲット・バック・セッションに通じる締りの無さも感じるのな。会話だけのトラックなんてヤンキーがただ騒いでいるようで、こんなにたくさん入れるなよ、という気はします。

なおライナーノーツにおいて、「Party!」のアイディアはジョニー・リヴァースのライヴ盤「At The Whisky A Go Go」(実際にはウェスタン・レコーダーでスタジオ録音された)にヒントを得たのではないか、と書かれていますよ。

2 件のコメント:

  1. foolishprideさん、こんばんは。
    このリリースって正規盤ですよね?
    なんかあんまり各地で盛り上がらないので、てっきり最近流行りの著作権からみの怪しい会社からの発売なのかな、と思っていました。
    ジャケットも如何にもありそうなデザインだし。
    でもコメント読む限り、やっぱり正規盤なのかな、と。

    返信削除
  2. JDさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
    僕も初めてこのリリースを知ったときにはハーフ・オフィシャルものだと勘違いしたのですが、正真正銘キャピトルからのリリースです。

    おそらくは今までは配信のみでしていた著作権・原盤権の延長狙いのリリースをフィジカルでやってみた、というあたりじゃないかと推測しているのですが。

    返信削除