2017-02-12

Bobby Hebb / Sunny


ボビー・ヘブのこのデビュー作は1966年、米国内ではマーキュリー・レコード傘下であったフィリップスからリリースされました。
プロデュースはジェリー・ロス、アレンジはジョー・レンゼッティ。ロスにとってマーキュリーでの初めての仕事がボビー・ヘブだったそう。

大ヒットした "Sunny" はボビー・ヘブの自作曲。溜めを効かせたボーカルが印象的で、はじめのうちは抑制を感じさせながら、それが後半になるにつれてどんどん感情が高まるように力強いものになっていく。控えめな管や鉄琴も雰囲気がいい。バック・ボーカルはアシュフォード&シンプソンやメルバ・ムーアが務めているようだ。
この曲はカバーもおそろしく多いけれど、オリジナルでの隙間の多いプロダクションは、聴き手にとってイメージを膨らませる余白があるのだな。

その "Sunny" は置いておいて、アルバム全体としてみるとソウル色が強いですね。そこにジャジーなものやスタンダードな曲が加わるという具合。ボビー・ヘブのボーカルも軽いものから男臭いシャウトまで難なくこなしていますが、スマートな "Sunny" のイメージで聴くと面食らうかもしれない。

ポップソングとしてならロスとレンゼッティが書いたアップ、"Love Love Love" が抜群の出来です。モータウンあたりを下敷きにしながらぐっと都会的なテイストを漂わせた仕上がりが格好良く、鍵盤のリフもとても印象的。ジェイ&ザ・テクニクスの曲だといわれても違和感がない(実際、ジェリー・ロスによればテクニクスのデビュー・ヒット "Apples, Peach, Pumpkin Pie" は当初、ボビー・ヘブにあてがおうとしたが拒否された曲なのだそう)。

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