2017-06-03
The Beatles / Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
50周年のスーパーでデラックスなやつを聴いています。
新規ステレオ・ミックスは良くも悪くも現代的なものですな。ディテイルが鮮明で迫力がある分、サイケデリックな浮遊感や奥行きが薄れたという印象。個人的には "She's Leaving Home" の麗しさが際立っているように感じます。"Good Morning Good Morning" のダブルドラムも実に強力。
そもそも、昔のものと同じ感触になるのならリミックスの必要はないわけであって、違っていて当たり前。そのときの気分でオリジナルとリミックスのどちらかを選べばいいのだ、とは思う。けれど、このマスタリングはあまり好みではないなあ、ブルーレイに入ったものも含めてドンシャリで。この点に関しては2009年リマスターのほうがいい。
一方で、ディスク2、3に収録されているアウトテイクの数々は、そこまで強くコンプレッサーが掛けられていないよう。かつての「Anthology」がノイズ・リダクションのせいなのか生気の感じられない音の上、独自の編集が施されていて、結局はブートレグのほうが良かったことを思い起こすと、これはなかなかの塩梅ではないか。
内容のほうも聴き所が多い。"Penny Lane" のインストはブリリアントだし、"Within You Without You" の初期ヴァージョンでは3パート構成の順番が違っているのも発見ですね。
また、ジョンのボーカルがダブルトラック処理されていない、素のかたちで聴けるのが嬉しいところ。他にも、このアルバムではテープ操作でボーカルをいじっている曲が多いので、 それらを元のピッチで聴くことが出来るのはいいですね。
さて、次はホワイト・アルバムだ、なんて話もありますが。8、9枚組とかなんすかね。うへえ。
(ところで、あまり大きな声ではいえないのですが "Penny Lane" にジョンがソロでリードを歌っている箇所があることに今まで気付いていませんでした)
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