2018-01-28

The Move / Looking On


ジェフ・リンが参加したサード・アルバム、1970年リリース。
全体にとっ散らかったアルバムで、ロイ・ウッド独特のサイケなんだかプログレだか中近東かよくわからないセンスと、ヘビーなサウンドが炸裂しています。コンパクトなポップソングを作ることに飽き飽きしていたのか、アイディアを詰め込まれて曲が肥大しているという印象。一曲目からドラムソロまで入れてどうするよ、という。
どの曲にもいいところがあって、時々聴きたくはなるのだけれど、何しろ途中で曲想が変わるので、全体としてはいまいちな印象が残ってしまう。焦点がはっきりしないと聴いていて疲れます。

全7曲中、新加入のジェフ・リンが書いているのは2曲。"What" は叙情的なスロウだが、重たいサウンドが邪魔をしているように思う。また、"Open Up Said The World At The Door" は鍵盤を中心に裏声コーラスで歌われ、モダンポップっぽいのだけれど、演奏がくどすぎる。

ごてごて、どたばたした演奏ばかりの中で、唯一グルーヴが良いと感じるのが最終曲の "Feel Too Good"。これだけベヴ・ベヴァンではなくジェフ・リンがドラムを叩いているのだな。R&B要素とハードサイケな演奏が割とすっきりまとまっている。ドリス・トロイとP.P.アーノルドによるコーラスも格好良く決まった。


2年前にEsotericから出た「Looking On」2CD版には未発表であったBBCセッションが収録されていました。ジェフ・リン作の "Falling Forever" はスタジオ録音こそありませんが、美しいメロディの佳曲。また、シングルB面曲 "Lightnin' Never Strikes Again" がここではアレンジを少し変えて演奏されていて、より格好よくなっています。

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