ロニー&ザ・デイトナズはナッシュビル出身のサーフ/ホッドロッドバンド、というと何だか変ですが、実際そうなんだから仕方ない。
1965年暮れ、そろそろサーフィンだけでは商売にならなくなってきた頃にロマンティックなバラード曲 "Sandy" をリリースしたところ、翌年初めにこれがスマッシュヒット。それを受けてアルバムが制作されました。
内容の方はバラードがヒットしたせいなのか、ゆったりとしたテンポの曲ばかりが入っていて、ビートが強調されたものは皆無。また、ボーカルもとてもジェントルというか非常に穏やかなものであって、どこがデイトナなんだ、という感じ。ずっと聴いていると、もうちょっと変化が欲しくなっていくるのも確か。
ただ、個々の曲はどれも良く出来ていて、いかにもアメリカン・ポップらしいメロディはドリーミー、という形容がぴったり。アレンジも派手さはないものの、きらきらした鉄琴の使い方や控えめなオーケストラ、そして勿論コーラスがどれも美麗な仕上がり。
また、パーカッションの効かせ方などはいかにもフィル・スペクターを通過、という感じであって。"Hold Me My Baby"という曲など、大瀧詠一そのものであります。
アルバム全体をほのかに覆うメランコリックな雰囲気が心地良い。
’60年代中期のビーチ・ボーイズで聴かれるような、内省的なバラードが好きな向きなら気に入るんじゃないかな。
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