2011-11-04
Todd Rundgren / Runt. The Ballad of Todd Rundgren
トッド・ラングレンのセカンドアルバム、1971年作。このひとの作品の中では最もコンテンポラリーな仕上がりかも。
バラッド・オブ、というタイトルが示すように落ち着いた曲調のものが多く並んでいるのだけれど、突出した部分がないように思い、昔はそれほど気に入っていなかった。ところが、歳を取ってからは凄くいい感じで聴こえるようになってきたのだな。
ファーストと比較するとドラマーが交代したことが大きく、より細かいニュアンスを表現できているように思う。一方でラフな勢いが削られたことが内省的な印象に繋がったか。
一聴するとシンガーソングライターっぽい印象も受けるのだけれど、実は本当に色んな音が鳴っています。また、コーラスアレンジも相当しつこく、ボーコーダーを通すとか変な試みもあって、やはりこのアルバムもトッドならではのものと言えるのでは。
特に好きなのが、一曲目の "Long Flowing Robe"。メロディはキャロル・キング風かな。洒落たクラヴィネット、重ねてハーモナイズしたリードギター。パターンを変えていくコーラスはビートルズみたいだ。いろんなスタイルの丁寧なパッチワーク。
あと、"Chain Letter" はエンジニアを務めていたベアズヴィルのアーティストたちからの影響なのだろうか、ざっくりしたアコースティックギターだけを伴い「あんまり自分のことをシリアスに考えすぎないほうがいいよ」と唄いはじめられる。しかし徐々に演奏のスケールが大きくなり最後はドラマティックに盛り上げるのは、後の作品を予感させるようでもある。
その他、ソウル趣味がストレートな形で出た "Hope I'm Around" など、後年の作品と比べると生なサウンドゆえか、アイディアが判り易く伝わってきて。
そんな手作りっぽさのようなものが、このアルバムの楽しさかしら。
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