2011-11-25
Collage / Collage (eponymous title)
コラージュという名のグループは前にも取り上げたことがあるけれど、こちらはそれとは無関係のもの。Creamレーベルから1971年に出たおそらく唯一のアルバム、なのだが。
何しろ情報がない。韓国Big Pink MusicからのCD化であるが、メンバー写真はないし、演奏パーソネルの記載もない。とりあえずマイク・ヌーチオというひとがメインのソングライターで、アレンジャーのようであります。
聴いてみると、収録されている曲には明らかに録音の感触が違うものが混在していて。いくつかについては'70年代に制作されたものではないだろう、と思ったのね。
んで、いろいろ調べてみたんだが。
'60年代にアメリカ中西部で活動していたChevronsというグループがあって、前述のヌーチオもメンバーであったのだけれど、このアルバム収録のうち四曲はそのChevronsが1968、9年にシングルでリリースしたもののようなのだな。
推測なんだけれど、このアルバムはマイク・ヌーチオが'関わった'68~'70年くらいの作品をコラージュという名義でまとめて出したものではないだろうか。
曲調はソフトサウンディングなものをはじめ、バブルガムにフォークロック、ホーンを配した都会的なものなどいろいろだけど、全体にポップスとしての線は外れていないですね。
中でもやはりヌーチオが書いた五曲がどれもメロウで出来が良く、アルバムのハイライトと言えるのでは。
特に "Mine Forever More" というミディアムのシャッフルは、ピアノが四分を刻むイントロを聴くだけで、これはいい曲に違いない、と期待が高まる。ノーブルで張りのあるボーカルに運ばれるメロディは甘く、コーラスはアソシエイションを思わせる美麗なもの。
アルバムとしてのトータリティとかはないですが、いい曲が多いのでサンシャインポップのファンなら是非。スパイラル・ステアケースあたりが好きなら、気に入るんじゃないかな。
しかし、こういったオブスキュアなものまで権利をクリアしてくるとは、恐るべしBig Pink。
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