2012-08-29

Ninapinta / The Downtown Scene


1965年、ヴァージン諸島出身のパーカッショニストによる唯一のアルバム。
ニューヨーク録音で、ラテン・ラウンジ・ジャズとでも言いましょうか。全編、陽気でリラックスした雰囲気の演奏です。

ポップスファンにはジェリー・ロスとの仕事でお馴染みなジミー・ウィズナーがアレンジャーであり、鍵盤も弾いています。曲によっては、ドラムでゲイリー・チェスターが入っている安心のグルーヴ。
取り上げられている曲はみな、当時の大ヒットばかりであって、オールディーズファンなら大概、聞き覚えのあるメロディが次から次と出てきます。フォー・トップスの "I Can't Help Myself" の中で、"Watermelon Man" のフレーズが飛び出したり、ペトゥラ・クラークの "Downtown" ではドリフターズの "On Broadway" が織り込まれていたり、なんて遊びも。

ニーナピンタというひとにはこれ以外に録音は残っていないようであります。最初に書いたヴァージン諸島云々はスリーヴノーツに記載されていたことなんですが、当人に関する写真や情報はまるで見当たらず、そもそも実在した人物なのかが定かでない。
一方で、モンゴ・サンタマリアの変名では、という説もありまして。クリストファー・コロンブスの率いていた三隻の船の名がニーナ号にピンタ号、サンタマリア号であったことに引っ掛けて付けた名前だ、ということなんですが、さて。

ヒップとかクールという感じではないですが、やりすぎず、ちょうどいい湯加減が魅力ですな。ソウル寄りのものはブーガルーとして楽しく聴けます。
プロフェッショナルによる手堅い仕事、和みの一枚。

0 件のコメント:

コメントを投稿