マイアミのギタリスト/シンガー、1974年リリースのサードアルバム。
ゆったりとしたテンポに乗せて展開されるジャジーな和声感、メロウさを強調する鍵盤にブルージーでしなやかなギターの絡み。都会的な感覚といなたさの絶妙なバランスはマイアミ、という地ならではか。
リトル・ビーヴァーのヴォーカルは悪くないものの、本人が自分で思っているほどはうまくない、といった感じ。味のある声ではあります。
冒頭のタイトル曲 "Party Down" が群を抜いて素晴らしい。ざわめきによる演出も効果的に、パーティの終わり、というタイトル通りの雰囲気が描き出される。湿度を感じさせながらけだるくも心地いいサウンド。リトル・ビーヴァーの唄もここでは哀愁たっぷり、見事に決まった。
続く同曲の (Part Two) はインストヴァージョンで、高音を絞ったような丸みのあるギターが控えめにリードを取る。バックトラックだけでもずっと聴いていられそうな、いいグルーヴです。
他では "I Can Dig It Baby" が同じようにメロウながら、しっかりしたファンクとしても仕上がっていて、これも凄く好み。
最後に語りも入って、徹底してロマンティックに迫った "Let's Stick Together" でアルバムが締められると、いかにも軽いようでありながら後味は強く残る音楽だ、ということに気付かされる。一枚通して聴いても30分ちょっと、という短さも実はちょうどいいのかも。
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