2013-01-01

The Match / A New Light


その筋では待望のリイシューでしょうか。いまいち情報の無い白人ボーカルグループ、ザ・マッチが大手RCAで1969年に残した唯一のアルバムが、ボーナストラック2曲追加でCD化されました。

ジャケットはなかなか微妙なセンスですが、一曲目の "Don't Take Your Time" のイントロを聴いただけでもう嬉しくなってくる。軽快で華やかなアレンジ、奥行きを感じさせるオケの響きは'60年代アメリカ以外ではありえないですね。
裏声も交えたコーラスはトム&ジョン・ベイラーを思わせるジェントルで整然としたもの。アドリシ兄弟の書いた "Free And Easy" という曲などはラヴ・ジェネレイションそっくりです。

演っている曲は殆どがカバーで。有名な映画やミュージカルの主題歌なども取り上げているのだけど、それよりもロジャー・ニコルズ絡みのものが先に触れた "Don't Take Your Time" に "Mornin' I'll Be Movin' On" とボーナストラックの "Time" と3曲あるのが目を引きますし、他にもディノ・デシ&ビリーの "Through Spray Colored Glasses"、ジム・ウェッブ作 "Love Years Coming" なんてところの選曲がいいですね。どれも隙がなく優美な仕上がりになっています。

ポップスとしてはやや個性が乏しく、品が良すぎるかもしれません。曲によってはゴージャスなアレンジのせいでイージーリスニング風というか、アラン・コープランド・シンガーズみたいなものもありますが、サンシャインポップのファンならまず聴いて損は無いアルバムでは。

0 件のコメント:

コメントを投稿