2013-07-20

Honey Ltd. / The Complete LHI Recordings


デトロイト出身の女性4人組ボーカルグループ、ハニー・リミテッド。米Light In The Atticより、彼女たちがリー・ヘイズルウッドのLHIレーベルに残した音源をまとめたものが出ました。
ブックレットにはメンバーのコメントを盛り込んだバイオグラフィー、当時(及び現在)の写真などに加え、レコーディング参加メンバーも明記されています。



彼女たちの唯一のアルバム「Honey Ltd.」は1968年のLA録音。演奏は当地のセッションミュージシャンで、アレンジはマイク・ポストもしくはイアン・フリーベアン・スミスが担当。
内容はというとフォークロック調のサウンドをバックに、クールな感触ながら繊細に絡み合うコーラスが独特の魅力を放っていて、カート・ベッチャーのボールルームあたりを思わせるところも。
収録曲の殆どが彼女たちの手によるオリジナルで、どれもフックのあるメロディがなかなかの出来。めまぐるしく曲調が変化するようなものが多い中、"Silk ’N Honey" という曲がオーソドックスな構成のなかでサイケデリックな意匠が生かされていて、特に良いですね。
唯一のカバーがキングスメンの "Louie Louie" をちょっとテンポを落としてR&B風に仕上げたもので、ジャック・ニーチェのアレンジ。ライ・クーダーのスライドが唸っていますが、曲としてはミスマッチでしょう。
ところで、このアルバムは全体として8曲入りで22分ほど、さらに1968年なのにモノラルミックスしかないようなのだ。とても一般市場向けに作られたとは思えないのだけれど。

アルバム後に制作されたものが未発表も含めて3曲ありますが、ローラ・ニーロの "Eli's Coming"、カントリーソングの " Silver Threads And Golden Needles"、クリームも演っていた "I'm So Glad" といずれもカバー。管弦が全面的に入ったダイナミックなサウンドになっていて、力の入ったつくりではあるのですが、彼女たちの個性がやや伝わりにくくなった面は否めない。

残りは未発表のバッキングトラックが2曲。うち、ひとつが "Louie Louie" と同セッションで録られたジャック・ニーチェのもので、こちらもライ・クーダーのギターが全面的に鳴っています。上物がない分、作り込まれたアレンジを楽しむことができますよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿