2014-12-25
The Velvet Underground & Nico / The Velvet Underground & Nico (eponymous title)
ヴェルヴェッツというとモノクロームなイメージがあるんだけど、1967年にリリースされたこのデビュー盤はカラフル。なんといっても "All Tomorrow's Parties" がサイケデリック満艦飾で、しかも熱をはらんだ演奏が絶品。これと "Venus In Furs" ではオストリッチ・ギターとやらのドローン効果もあるのでしょうが、こういう作りこんだ曲があるからこそ、ほかは割りと好き勝手やれているのだと思います。
もちろん "I'm Waiting for the Man" はめちゃくちゃ格好いい。古典的ともいえる構成でありながら、これ以前になかったタイプの新しいロックンロール。
インプロヴの要素が強い曲には退屈に思える面もある。けれど "Heroin" になるとそれが曲の中でエネルギーの高まりを感じさせて、すごく効果を上げている。まさにジョン・ケイルの才気が爆発、といった感じであります。
また、"Sunday Morning" におけるベースギターの嵌ってなさ加減はちょっとしたものだ。しかし、曲全体のサウンド処理がわけのわからないことになっているので、聞き流してしまうのね。
あと、"There She Goes Again" のリフは勿論 "Hitchhike" なんだけど、それ以上にボーカルがボブ・ディラン。"Run Run Run" や "The Black Angel's Death Song" にもそういう面はあるけれど、"There She Goes Again" は本当にディラン丸かじりなのが面白いな。
つたない部分もあるのだけれど、長年聴いていると、もう、そこはどうでもよくなってきた。とてつもない個性のきらめきを感じさせてくれる、やっぱり唯一無二のアルバムですな。
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