2015-05-03

Montage / Montage (eponymous title)


レフト・バンクを脱退したマイケル・ブラウンが、自分の音楽を演るために地元ニュー・ジャージーのワールプールというバンドをスカウトしてきて作ったのが、このモンタージュ。ブラウンはグループのメンバーになったわけではなく、作曲者・プロデューサーという関わりかただったのですが。
ブラウンの父親のコネかなんかでローリー・レコード(ディオンやロイヤル・ガーズメンのあのローリーです)と契約すると1968年に二枚のシングルを、翌年にそれらの曲を含むアルバムをリリースしました。

マイケル・ブラウンがワールプールを気に入ったのはその歌声だったとのことで、殆どの曲の演奏はスタジオ・ミュージシャンによるものらしい。この辺りはレフト・バンク時代と同じです。
そのサウンドのほうは鍵盤を中心にした演奏に、ちょっとクラシック入った管弦が加わるという形が基本のソフトなもの。そこに麗しいボーカル/コーラスが乗っかるという、まあ、レフト・バンクの延長線上にあるものなんですが、もっとすっきりとした手触りで、エコー処理もデッドな感じ。このアルバムの制作されたのは1968年なわけで、さすがにもうサイケポップではないということですな。ただ、生々しい手触りはいいんだけれど、レフト・バンクと比べてしまうとプロダクションが簡素に感じられる瞬間もなくはない。
ブラウンの手による楽曲も憂いを帯びた作風は健在、いいメロディが揃ってます。実はレフト・バンクの録音が残っている "Desiree" と "Men Are Building Sand" なんかも取り上げていて。まあ、結局はそういうプロジェクトなんだな。

レフト・バンクのデビュー・アルバムにあった要素が、マイケル・ブラウン脱退後のセカンド「Too」とこのモンタージュに分かれた、と考えればしっくりくる。個人的には「Too」よりこっちのほうが好みです。

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