2015-11-01

Georgie Fame / Fame At Last


引き続きジョージィ・フェイムのボックス・セットを聴いていますよ。
この時期のアルバムはみな、モノラル・ミックスしかないと思われていたのだけど。今回のボックスでは「Fame At Last」のみ、レアであろうステレオで収録されています。綿密なテープリサーチの成果でしょう、音のほうも非常にクリア。新鮮な印象を受けました。

その「Fame At Last」は1964年にリリースされたセカンド・アルバム。軽快さ、洒脱さならこれかな。フェイム独特のセンスの上でジャズとソウルが違和感無く並んでいるさまが格好いい。米国産ジャズのアルバムを模したようなジャケットもまたクール。
この次の「Sweet Things」(1966年)ではジャズ色が薄まり、ぐっとソウル寄りに。さらに同年に出された「Sound Venture」では逆に、ビッグ・バンドを従えたボーカル・アルバムになっていて。それら二枚の方がトータリティは勿論、プロダクションがしっかりしているとは思います。
一方で、「Fame At Last」にはとっ散らかった部分はあるものの、普段演奏しているレパートリーをそのままやったような勢いの良さを感じる。

取り上げている曲はカバーばかりですが、解釈というよりも自分のスタイルの中に落とし込んでいるといった感じであって、無理が無い。技術的にはそれほどうまいと思わないのだけど、とてもこなれている気がするのね。
特に "Point Of No Return" がお見事。キング&ゴフィン作のポップソング、それをジャズ風に仕上げて、ちっとも嫌味にならない。フェイムのキャラクターのせいもあるのだろうけど、粋というか、大人な感じがしますな。

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