ベティ・スワンが1965~67年、マネー・レコードに残した音源をまとめたコンピレーション。英Kentから2001年に出たもので、アルバム「Make Me Yours」全曲にシングル・オンリー、未発表テイク、さらにはリミックスまでも収録。
制作はハリウッドで、中でも初期のいくつかの曲はゴールド・スター・スタジオで録音したそう。アレンジには時代を反映してか、モータウンを意識したようなものが多いです。
このひとはシンガーとしてはそんなに声量が凄いとか、迫力を感じさせるタイプではありません。軽量級なのだけれど表情豊かな歌声で、実にチャーミング。ボーカルにかけられたリヴァーブが浅いこともあって、それがはっきりと伝わってきます。
さらに、彼女には自分の歌唱スタイルに合った曲を書くことが出来る、という強みがあったわけですね。ここでの収録曲もいくつかあるカバーを除けば、殆どが自作のものです。
アルバムタイトルにもなった1967年の "Make Me Yours" はR&Bチャートでトップまで上がりました。コーラスや管はまんまモータウンなのですが、ループし続けるようなベースラインがヒットソングとしての肝でありますね。
それより僕が気に入っているのはメロウさをたたえたアップで。切迫感を感じさせるメロディのノーザン "Don't Take My Mind" と、これもモータウンを下敷きにしながら実にせつない展開が待っている "You Gave Me Love" が特にぐっと来ますねえ。
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