2016-05-01

The Move / Move (eponymous title)


英Esotericより、ムーヴのアルバム「Move」(1968年)と「Shazam」(1970年)の2タイトルがリイシューされました。
これらは8~9年前にもSalvoから拡大盤がリイシューされていますが、今回は「Move」が3枚組、「Shazam」は2枚組とさらに増量されています。


ますはファースト・アルバム「Move」を聴いています。
ざっと聴いた感じですが、前回のSalvoからのものも結構良かったので、音質は劇的に向上しているとは思いません。もしかしたら、マスタリングの元となるデジタルトランスファーは同じものを使っているのでは。Salvo版がかなり音圧高めであったのに比べれば、今回のもののほうがやや控えめで、結果として自然な鳴りに近づいてはいるかな。
一方、追加収録されている曲に目を向けると、相当なボリュームがあるものの、レアトラックはボックスセットにも入っていたので、初登場のものはそれほど多くは残っていないようだ。

ディスク1はオリジナル・モノラル・アルバムとシングル曲に、デビュー前である1966年1月に録音されたセッションから構成されています。
スタジオ・セッションからは3曲入っていて、うち未発表が2曲。これらはアセテート盤起こしなので音質はそこそこ(しかし、件のアセテートにはもう1曲入っているはずなのだけれど)。未発表曲のうち "Winter Song" はカントリー入ったポップソングで、あまりムーヴらしくないという印象を持ちました。そして、"The Fugitive" は少しビートルズの "You've Got To Hide Your Love Away" を思わせるフォーク調のもの。
また、地元バーミンガムのラジオ出演時のものが5曲。うち2曲が未発表とクレジットされていますが、厳密にいうとこの2曲も前回のリイシューの際、オンライン・ボーナスとしてMP3で配布されていました。演奏のほうはというと、全体にいかにもビートグループ然としたもので、カバー曲ばかりということもあって、あまり目立った個性は感じられないすね。

ディスク2はステレオ・ミックスで固められています。Salvo版よりは4曲多いですが、全て既出ヴァージョンのよう。
そして、ディスク3はBBCセッションが19曲。こちらはインタビューを除くと未発表は1曲だけです。


ムーヴは長いこと聴いてきているけれど、このファーストが一番好きだ。曲がキャッチーでコンパクト、アレンジのバラエティにも富んでいる。一方でサウンドの統一感は乏しいし、全体としての流れがあまり感じられないのだけれど、これだけ良い曲を詰め込むことが出来ていれば、そんなことはもはや問題ではないと思う。
収録曲をステレオ・ミックスで聴くと、カラフルさも更に増して良いです。しかし、今回のステレオもSalvoからのリイシューの際に作られたものであって、できればオリジナルのミックスも入れて欲しかったのだが。

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