2016-06-02
The Independents / Just As Long: The Complete Wand Recordings 1972-74
シカゴのボーカル・グループ、インディペンデンツがSepter傘下のWandに残した音源のコンプリート集。英Aceからのリリースです。
収録曲のうちに未発表だったものはないのだけれど、彼らのセカンド・アルバムはこれまでリイシューされていなかったこともあって、シングル・オンリーのものも加えてまとめられたのは喜ばしい。
インディペンデンツというグループはソングライター・チームであるチャック・ジャクソンとマーヴィン・ヤンシーが中心になって結成されました。ライナーノーツによれば、ライヴ活動を好まなかったヤンシーは最初のシングルがヒットしたあと、表面的にはグループから脱退したのですが、レコーディングには引き続き参加していたそうであります。
力のあるボーカルにしっかりしたコーラス。メロディは'60年代っぽいテイストが強くて好みなのだけれど、あれ、これどこかで聴いたことのあるぞ、みたいなものもちらほら。それらのひとつひとつをとってみると、突出した個性を感じさせるものではありません。しかし、とてもバランスがいいのですね。メロウなサウンドを背景にして、よく映えている。
アレンジはトムトム84が担当していて、シカゴ・ソウルにややデトロイトっぽいニュアンスを加えたものといえましょうか。鍵盤の利かせ方が洒落ています。
曲調としてはスロウが多いのだけれど、風通しがよくって、続けて聴いていても飽きがこない。
彼らの出したシングルの多くはR&Bチャートで上位に入っていて、そこそこは売れていたのですね。しかし、レコード会社の資金繰りがうまくいかなかったせいで解散してしまったよう。
ところで、彼らの曲のうちいくつかの作曲者は「Maurice Barge - Jimmie Jiles」になっているのですが、このクレジットを他では見ないことから、ライナーノーツではそれらもジャクソンとヤンシーが書いた曲だ、と断言しています。実際どうなのでしょうかね。
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