2025-03-09
Badfinger / Head First
昨年の暮れにバッドフィンガーの「Head First」の50周年盤というのがリリースされました。実際に「Head First」が世に出たのは2000年ですが、制作されたのは1974年の12月なのです。
過去に出された「Head First」は、録音エンジニアによってリファレンス用に作成されたラフ・ミックスがもとになっていました。マルチトラックは無くなったとされていたのです。
で、ややこしくも長い事情を短くすると、オリジナルのマルチが最近になって発見されたと。この50周年盤はそこから新たにミックスがなされたもので、曲順も変わっています。ラフ・ミックス版は演奏がラウドでボーカルがやや引っ込み気味だったのに対して、新しいものはすっきりとバランス良くまとめられていますし、音質も当然、良くなっています。
また、"Saville Row" という30秒ほどのインストは、新たにレコーディングが加えられて2分弱くらいの曲になっています。
アルバム自体は期間の限られた状態の中、急ぎで作られたものです。あまりに余裕がなかったため、アップルでの最後からワーナーに移ってからの2作目までを手掛けていたクリス・トーマスは仕事を辞退しています。実際、それまでの作品と比べれば充分なプロダクションがされたものとは言いかねるし、オルガンを入れたことで厚みは増したもののアレンジの幅は限られている。
そういったように最上の部類のバッドフィンガーではないのですが、彼らの魅力ははっきり感じられるし、今回のリリースでようやく「Head First」をひとつの完成された作品として受け入れられたような気もします。
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