リチャード・デミングというと後期エラリー・クイーンの代作者のひとりであって、うち邦訳のある
『摩天楼のクローズドサークル』からはあまり感銘を受けなかったのですよ。で、昨年に話題となった中編集『私立探偵マニー・ムーン』も買ってはいるが、まだ読んでいません。
今年になってから出された、同じマニー・ムーンものの長編も評判が良いようなので、まずそちらから手を付けてみました。
『絞首台のある庭』は1952年に発表された、デミングにとっての第一長編です。ハードボイルドと本格謎解きの融合、と聞いていたのですが、なるほど。私立探偵小説でのフーダニット、そこに派手なアクション、ドンパチも盛り込んだサービス編という感じ。なんか通俗ハードボイルド、それのさらにパロディめいているんだよな。
中心となる謎そのものは地味なものなので、いろいろ混ぜて起伏を作り、興味をつないでいるのかな、なんて思いました。
終盤には関係者を一堂にしての絵解きが行われます。手掛かりの出し方は控えめなのですが、そこから一気に犯人が確定される展開はちょっとしたもの。小説としてのつくりが実は解決に関係しているというのが驚きでした。複数の事件が絡んでいながら、とても分かりやすく収束されていくのもいいです。
そんな凄い作品でもないですが、結構楽しみました。前に出たのも読まないとだな。
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