2011-03-16
Lou Reed / Rock and Roll Heart
オペラとかバレエは好きじゃない
最新のフランス映画ってやつ ちんぷんかんぷんだね
俺は無口な男 だって あんまり賢いわけじゃないし
けどね 奥深くには ロックンロール・ハートを持っているんだ
ルー・リードがアリスタに移籍して出した一枚目のアルバム、1976年リリース。
サックスや鍵盤が大きくフューチャーされたやや軽目のサウンドはFMラジオ向きなんだろうけど、グラムロック的という見方もできるかな。
シンプルで無駄を削ぎ落としたロック、を期待するとハズレだが、弾力性のある演奏ではあって、特にドラムが上手い。キラキラしたピアノはなんだかブルース・スプリングスティーンみたいだ。
インスト曲がひとつ入ってるけれど、ゆったりとしたフュージョン風であって、さながらクロスオーバー・イレブンの世界であります。
一曲目の "I Believe In Love" などはジャジーでしなやか、洒落た大人のシティポップで。 あのルー・リードが、ねえ!? また、気持ち良さそうに唄ってるのな、これが。 けど純粋に曲としては、意外と良く出来てるんだよね。サビの展開とかさ。 問題は、らしくもないぜ(@木村健吾)ということだ。
ピアノのコード連打が聞ける "Banging On My Drum" はタイトルのフレーズを連呼しているだけなのだけれど、直情性よりもオールディーズ趣味の方が強く伝わってくるか。
弾丸を撃ち続けているような "Follow The Leader" と、逆にリラックスした4ビートの "A Sheltered Life" は両方ともヴェルヴェット・アンダーグラウンド期からのナンバーのようでありますが、違和感なく収まっています。
ルー・リードならではの都会性とサウンドがうまく調和しているのは "Vicious Circle" "Temporary Thing" あたりかな。 特に後者は、別れる相手に対してさんざん悪態をついているだけという曲なんだけれど、わけのわからん凄みがある。
タイトル曲 "Rock and Roll Heart" の歌詞は説明しすぎなような、描写じゃなくて。
ラジオの音楽に合わせて踊りだす少女の情景、をくっきりと浮かび上がらせるヴェルヴェッツのあの曲とは対照的で。
メッセージとかその手のものは好きじゃない
そういうこと言うやつらは よそに行ってくれないか
俺は無口な男 馬鹿なのは判っているから
けどね 奥深くには ロックンロール・ハートを持っているんだ
そうさ 心のずっと奥には ロックンロール・ハートがある
でも、力強い言葉が聞きたいときには、この不器用なまでのまっすぐさこそが何より頼もしい。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿