2011-03-09

The Mohawks / The "Champ"


英国を代表するオルガン使いのひとり、アラン・ホークショウが1968年にPamaというレーベルからリリースした、モホークス名義での唯一のアルバム。
誰それがサンプリングした、とか、ヨーロッパあたりのレア盤を多く再発してる会社から出た、なんて理由でそれほど大したことないブツが「幻のナントカ」なんて呼ばれる、そんな冗談にはもう食傷気味でありますが。
いや、こいつは格好いい。

イージー・リスニング系の仕事でも知られるホークショウ、ラウンジファンの間では "Girl In A Sportscar" が人気ですか。このアルバム「The "Champ"」は有名なタイトル曲の他にも、ソウルのヒット曲のカバーなど、ちょっとルーズながらファンキーで実に気持ちが良い演奏です。走り廻るオルガンと野太いベース、タイトなドラムの組み合わせは繰り返し聴いていたくなる。Pamaがスカやブルー・ビートのレーベルであったことを反映してか、それっぽい乗りの曲もあり。

ホークショウ自身の手になるオリジナルも4曲入っているのだけれど、そちらはジャジーなフレーズや滑らかなメロディにセンスを感じさせるもの。これらの曲は実は、ホークショウがライブラリー・レコード用に録音してあったストックを流用したものであるとか。そういえば、演奏もそれらのほうがシャープな感触であります。

アラン・ホークショウ本人はこのアルバムについて、さっさと仕上げたルーティン・ワークのひとつだ、という風にコメントしていまして。つまりは特に思い入れも無い、ただの雇われ仕事。
いや、大量生産されるが故の高品質、ということか(逆説だか正論だか分からないが)。

イージー・リスニングとソウルインストの狭間を行き、MG’sの英国流解釈ともいえる音は流石の一言。往時のセッション・ミュージシャンの実力、とくと聴きやがれ、てんだ。

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