2013-03-28

The Animals / Animal Tracks


おっさんになってから聴くと、アニマルズは初期が良いですわ。エリック・バードンの個性が強まるにつれて、その表現は重く、しつこくなっていったわけですが、この時期はまだバンドとしてのバランスがちゃんと取れていた。ことグルーヴという点に関してはオリジナル・ラインアップが一番であって、ステディで軽快な演奏は実に好ましいです。

「Animal Tracks」は1965年にリリースされたセカンドアルバム。
アニマルズの最初の2枚のアルバムは兄弟みたいなもので、殆ど彼らが日頃演奏し慣れたブルースやR&Bのカバーばかりで構成され、シングル曲が含まれていない。
まあ、地味っちゃあ、そうですね。はっきり言って、これらのアルバム曲より職業作曲家の手によるポップソングを力ずくで自分たちのスタイルにねじ込んだシングルヒットの数々を聴いていたほうがテンション上がること請合い。

ただ、「Animal Tracks」の方が前年に出されたファースト「The Animals」に比べるとアレンジの自由度は少しばかり上がっているようではある。"How You've Changed" などスロウであっても、ジャジーなピアノによって必要以上に重くならず、洒脱なニュアンスまで感じられるのが面白い。また、"Bright Lights, Big City" の斬新な解釈では、ブルースが何か次の時代のものに変化する瞬間が捉えられているようだ。

音楽においてもユーモアというのは大事ね、と思う今日この頃。

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