2013-06-03
Michael Gately / Gately's Cafe
韓国Big Pinkより、マイケル・ゲイトリーが米Janusレーベルに残した2枚のアルバムがCD化されました。
このゲイトリーというひとについては、長門芳郎氏がアル・クーパーのライナーノーツで書いていたこと以外には何も判らないのだけれど、音楽の方はとても良いですね。ロマンティシズム溢れる都会的なポップスで。
ファーストアルバム「Gately's Cafe」(1972年)はアル・クーパーがプロデュースとアレンジを担当しており、その制作はクーパー自身の「A Possible Projection Of The Future/Childhood's End」と平行してイギリスで行なわれたそう(ただし唄入れはニューヨーク)。楽曲も2曲提供しており、BST時代の "I Can't Quit Her" のイントロが引用されるという遊びも。
クーパー作以外の曲は全てゲイトリーのオリジナルでありますが、これらがリリカルで良いメロディ揃い。ゲイトリー、見てくれは腹の上にギターを乗っけてサザンロックをやってそうな、むさい巨漢なのだけれど。ボーカルもウィスパーボイスやファルセット交じりのソフトな唄い口であります。コーラスも繊細で美しく、聴いていて、時に胸締め付けられるほど。
アルバム全体としてはクーパーの "New York City" 以降の作風をぐっとメロウにしたという印象です。更に、時に英国モダンポップっぽいテイストが入り混じり、これはたまらない。
同じ年に出たセカンド「Still 'Round」はゲイトリーのセルフプロデュースでニューヨーク録音。アレンジのバラエティが広がって、カントリー風のものやラテンっぽいものも入っていますが、メロウな曲の出来は変わらず素晴らしい。キーボードが強調されて、よりまろやかでコンテンポラリーな仕上がりかな。
個人的には「Gately's Cafe」のセンシティヴな感覚が気に入っていますが、いや、どちらも良いですよ。この美しい音楽が広く聴かれようになればなあ。
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