2013-10-28
ルー、ルー、ルー、これは偉大な冒険の始まりなのよ。
十代の頃、その声を聴いたのはFMラジオの洋楽番組から流れてきた "Walk On The Wild Side" ――ワイルド・サイドを歩け、だった。ルー・リードといってかかるのは、とにかくこれ。唯一のシングルヒットらしいものであって。
自分で買った彼のレコードで、最初のものはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの「Loaded」、輸入盤だ。たぶん、ヴェルヴェッツはそれしか店に置いてなかったように思う。
当時はバンドの歴史など何も知らなかったけど、聴いてすぐに夢中になった。どの曲も好きになったのだけど、クラシックといえる曲が二つ、やはり突出していた。
"Sweet Jane" はルーに無断で短く編集されていたとして、後年になってフル・レングス・ヴァージョンがでたわけだけれど、僕は古いヴァージョンに慣れ親しんでいたせいか、カットされていた部分は無くてもいいかな、と未だに思う。
また、"Rock & Roll" で歌われる5歳の少女の物語は、音楽に救われたことなど一度たりともない自分にとって、だからこそ麻薬のような魅力を持ち続けている。
ソロになってからのものではロバート・クワインやフェルナンド・ソーンダースと組んで以降のシンプルな表現が格好いい。ボトムラインでのライヴ映像「A Night with Lou Reed」は忘れられない。「New York」ツアーの来日公演も最高だった。
近年の作品は、実はあまり聴いてなかった。なんだか、ありがたいお経みたいな感じがして、素直に楽しめなくなったのだ。今思えば、頑固なじいさんの話をもっとちゃんと聞いておけばよかった的な気持ちもある。
とりとめがないことしか書けないのでこの辺にしよう。
夜空を見上げれば、あなたの星が見えるだろうか。
極上のロックンロールをありがとう、そしてさようなら。
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