2014-02-02

Timmy Thomas / Why Can't We Live Together


1972年リリース、寒い季節になると聴きたくなるアルバム。昨年、英BBRからリイシューされまして、シングル曲/ヴァージョン3トラックのボーナス追加です。
ブックレットにはティミー・トーマス本人のコメントが盛り込まれているのですが、それによれば、よく「プリミティヴなリズム・ボックスを使用して」などと書かれているのは正確ではなく、あれはオルガンのオプション機能を使ったものだそう。レコーディングはオルガンとヴォーカルのみで行なわれたわけで、つまりあのサウンドは(スライの「Flesh!」のように)密室的な、あるいは宅録的なスタジオワークによるものというよりは、日頃ライヴで演っていたスタイルをそのまま持ち込んだもののよう。ちょっと認識を改めましたよ。

さて、そのシンプルな演奏はまるでデモのようでチープといえばそうなのですが、生々しさにも繋がっています。弾き語りに近いためアレンジが限定されているのは確かなものの、オルガンが多様な演奏でフォローすることによってアルバム一枚聴かせるものになっているかと。フットベースもくっきりと録られていますしね。
2曲含まれたインストも幅を出すのに貢献していて。"The First Time I Saw Your Face" ではメロディーを生かしながらじっくりと、逆に "Funky Me" はアルバム中唯一テンポ早めで、アグレッシヴな曲調。
また、どうしてもユニークなサウンドの方に気がいってしまいますが、唄のほうもしっかりしたもので。ボーナス収録の "People Are Changin'" を聴くと若干田舎臭い感じも受けるのですが、アルバム本編では良い感じの抑制が利いたものになっています。

改めて聴いてみて気付いたのですが、収録されているオリジナル曲は全て社会的メッセージを持つものなのですね。にもかかわらず、全体に漂うレイドバックした感覚が魅力かな。

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