2014-03-03

Bobby Womack / Communication


1970年代前半のボビー・ウォマックのアルバムはどれも快適なサウンドのものだけれど、最近よく聴いているのはこの「Communication」(1971年)で、マスル・ショールズ録音ね。
冒頭のタイトル曲こそ粘るようなファンクですが、それ以外はゆったりとした、懐の深さを感じさせる曲調のものが多く、くつろいで聴けますわ。

このひとの持ち味は洗練された音楽センスとディープなソウル・シンガーらしい肉体性のバランスにあると思う。ここでも南部らしい温かみや開放感の中でメロウさを生かすような音作りがいい。そうしてしっかり作りこんだバックに、思い切りのいいボーカルが乗るわけだからたまらない。

甘さと激しさのブレンドが絶妙なミディアム "(If You Don't Want My Love) Give It Back" と、シングルヒットであるスロウの "That's The Way I Feel About Cha" の出来が抜けていますが、いずれもギターのフレーズが実に格好いいなあ。
お得意のカバーもジェイムズ・テイラーの "Fire And Rain"、カーペンターズがヒットさせた " (They Long to Be) Close to You" などありますが、いつもながら自分の色に染め上げてしまう力が凄い。こんなに気持ち良さそうに唄うひとはちょっといないよ。

最後をゴスペルの "Yield Not To Temptaion" で締める構成もなかなか。さまざまなスタイルに取り組んでるようで、ルーツに対する落とし前も忘れないという、ね。

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