2014-10-25

Stackridge / The Man In The Bowler Hat


スタックリッジの三枚目は1974年リリース、プロデュースド・バイ・ジョージ・マーティン。ということで制作はAIRスタジオで行われ、エンジニアにはジェフ・エメリックの名も。
ジョージ・マーティンはストリングス・アレンジは勿論、ピアノでも参加。リハーサルをマーティン邸で行うこともあったということで、かなりな貢献度。

間違いなくスタックリッジのアルバムの中では最もポップな作品でしょう。まず、これ以前の作品と比較して音像がとてもシャープなものに変化しています。特に印象的なのはくっきりとしたベース・ラインですね。このよく歌うベースがアルバム中、一番ビートルズ的だな。
音楽的にもかなりわかりやすくなって。奇妙なユーモアも含めたスタックリッジというバンドの持つさまざまな要素を整理して、タイトにまとめ上げた、という感じ。メロディの良さがより際立つようになった。その分、以前にあったバンドらしい迫力やトラッド風味は余り感じられない。田園プログレ風味はわずかにフルートのソロに聴かれますが。

オープナーの超キャッチーな "Fundamentally Yours"、このサビ部分でのフィドルなどはそれまでになかったような響きで、まさにモダン・ポップという感じ。
また、"Pinafore Days" や "Galloping Gaucho" のようなコミカルな曲でも何だか堂々としていて、風格さえ漂っています。流石はジョージ・マーティン、というかプロの仕事ですね。
一方で、甘々のスロウもあって、これらは後のコーギスを予感させるようでもあります。

個人的な彼らのベストは前作にあたる「Friendliness」だけれど、この「The Man In The Bowler Hat」も英国ポップど真ん中といった仕上がりで、とても好きなアルバムです。
ところで、ジャケットに描かれている人物は男性で、彼らのマネージャーだというのは本当なのかな?

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