アイズリー・ブラザーズ、1972年の公的には3人編成による最後のアルバム。
この時期の作品では、ソウル・ミュージックに白人的な感覚を溶け込ませるという創意がわかりやすい形で出ています。
彼らは作曲も自分たちでするのですが、この前作にあたる "Givin' It Back" では例外的に全曲がカバー、しかも一曲を除いてすべて白人ロック/ポップ畑のものでした。そして、この「Brother, Brother, Brother」ではキャロル・キング作が3曲に、ジャッキー・デシャノン作のものが1曲取り上げられていて、それらはオリジナル曲と並んでいても全く違和感がないアイズリーの音楽になっています。
演奏のほうは鍵盤が多用され、アコースティックな感覚が強いもの。ファンキーな曲であってもヘビーさがさほど前面に出ない仕上がり。曲によっては、バックトラックだけならウェストコースト・ロックを聴いているような瞬間があります。
ゴリゴリのファンクではないし、甘々なスロウでもないというものが多く、スタイルとしては過渡期なのですが、アイズリー版ニューソウルといった感じがして、とても好きな作品です。
収録曲ではオープナーである "Brother, Brother" の柔らかな感覚が抜群。でもベストはやはり "Work To Do" かな。軽快でキャッチーなファンクで、ここでもアコースティック・ギターが効いていますね。
0 件のコメント:
コメントを投稿